マラソンランナーが100mを走るのは効果がある?|目的・バランス・時期で考える|ぼっちランナーズ【BRC】
Q&A

マラソンランナーが100mを走るのは効果がある?|目的・バランス・時期で考える

上原 一真

こんにちは。
ぼっちランナーズ【BRC】代表の上原です。

今回は、LIVE配信でいただいた質問にお答えします。

マラソンシーズンを終え、春から夏は短距離(100m、200m)向けに練習・エントリーしています(股関節・上半身の可動域を良くする目的)。マラソンへの効果は見込めそうですか?

ありがとうございます。

(動画で見たい方はこちら)

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目的があるなら、マラソンにつながる

端的に言うと、目的があるのであれば、100m向けの練習をしてもマラソンにつながるとは思います。

今回の方は、股関節や上半身の可動域を良くする、という目的があります。100mは短すぎてマラソンに直結しないと思われるかもしれませんし、確かに直結はしないんですけど、ちゃんと目的を持って取り組むのであれば、マラソンにつながる練習にはなると思います。

ただし、バランスは意識してほしい

100mの練習だけをして、マラソンが速くなるわけではないと思うんですよね。

例えばウサイン・ボルトは100mがめちゃくちゃ速いですけど、そのスピードでマラソンを走れるわけではありません。

ちょっと難しい言葉を使うと、特異性と言ったりするんですけど、マラソンランナーはマラソンで速くなるための練習に特化していかないといけない。100mの選手は、100mで結果を出すための練習に特化していかないといけない。

あくまでマラソンを主軸とするのであれば、マラソンにつながるための100mの練習、という取り組み方がいいのかなと思います。

100mの練習は「ピュアスピード」

ここからもう少し踏み込みます。

普段の動画では、スピード、スタミナ、スピード持久力というざっくりした分け方で話していますが、もう少し細分化すると、こんな分類になります。速いスピードから順に並べています。

  1. ピュアスピード
  2. 最大スピード
  3. スピード持久力
  4. 特異的持久力
  5. 有酸素能力
  6. 脂質代謝能力
  7. 筋持久力

筋持久力は、ちょっと別軸の概念かなと思います。

100mの練習は、このピュアスピードになるのかなと思います。別の言い方をすると無酸素能力で、ダニエルズ理論でいうとRペース以上のペース。瞬発力はあるけど、長続きはしない能力です。

ピュアスピードを鍛える練習

  • 100mダッシュ×7〜10本
  • 200mのインターバル
  • 坂で70〜100mのダッシュ×7〜8本

こういった練習で、パワーが上がっていくのかなと思います。

ただ、マラソンランナーにとって100mはかなり離れた距離で、マラソンのパフォーマンスに直結する練習ではありません。マラソンランナーが100mダッシュを繰り返すのは、実際問題そんなにやる練習ではないです。

実際には、ジョグの後に200m×5本を刺激として入れる、60分ジョグの後に20秒間のウインドスプリントを5本繰り返して動きを整える、といった形で取り入れる方が多いと思います。

ピュアスピードだけを伸ばそうとする練習はあまりなくて、こうやって複合的に取り入れていくことが、現実的には多いのかなと思います。

100mの練習をするなら、シーズンの前半

もう少し踏み込むと、100mの練習をいつやるべきか、という話があります。

結論から言うと、マラソンのレースが近づいた時にやるべき練習ではないと思います。

例えば目標レースが12月だとしたら、11月に100mをガンガンやる、というタイミングの練習ではありません。レースから離れている時期、シーズンの序盤にやるべき練習かなと思います。

期分けの大きな流れ

なぜかというと、期分けという考え方があるからです。

期分けの大きな流れは、ジェネラル(一般的・基礎的なトレーニング)からスペシフィック(特異的なトレーニング)に移行していく、というものです。

ケニアなどで優秀な選手を育てているイタリア人コーチも言っていることですが、ファネル・ピリオダイゼーションという考え方があります。

シーズンの前半は、最大スピードとスタミナという両極端のスキルを鍛える。レースが近づいてきたら、このスピードとスタミナを結びつけていく。これが期分けの王道と言われています。

100mは、どちらかというと基礎的なスピードを育てる練習なので、シーズン前半にやる練習です。

シーズン前半は、VO2maxやRペース、もっと速いピュアスピードを鍛える。同時並行で、Eペースのような基礎スタミナも鍛える。

レースが近づいてきたら、30km走のような、マラソンのレースペースに近い特異的なトレーニングが増えていきます。

まとめ

目的を持ってやるのであれば、100mの練習は全然効果があると思います。

大事なのは、バランスと時期です。今回の方は春から夏、シーズンの前半ということだと思うので、その時期であれば100mの練習はいいと思います。

ただ、レースが近づいてきたら、もう少しマラソンに特化した練習を増やしていくのがいいかなと思います。

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それでは。

ぼっちランナーズ【BRC】
代表 上原一真

上原 一真
上原 一真
ランニングコーチ / ぼっちランナーズクラブ【BRC】代表
Profile
株式会社SmilesMiles 代表取締役
1992年生まれ、鹿児島県出身。

2005年、中学時代より走り始めランニング歴は20年以上。ランニング指導歴は10年以上。

1500m~5000mなどのトラック競技から100kmを超えるウルトラマラソン, トレイルランニング, 駅伝など幅広く嗜む。
フルマラソンの自己ベストは、2時間34分16秒 (2021年)。

2015年から市民ランナー向けにランニングの指導を始め、サブ4~サブ2時間35分まで様々なレベルの市民ランナーの自己ベスト達成をサポートしてきた。

現在は、オンラインランニングクラブ【ぼっちランナーズ / BRC】を主宰。
「ひとりで頑張るランナーに、もっと強くなるきっかけを与え、自己重要感が高まるランニングを楽しんでもらう」をテーマとして指導に力を入れている。
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