マラソンにジェルは必要?|デメリットも含めて考える3つのポイント|ぼっちランナーズ【BRC】
Q&A

マラソンにジェルは必要?|デメリットも含めて考える3つのポイント

上原 一真

こんにちは。
ぼっちランナーズ【BRC】代表の上原です。

今回は、ジェルについての質問をいただきました。

フルマラソンで、ジェルはいるのか、いらないのか。

ありがとうございます。

以前、サブ3ランナーはジェルがいらない、という話をしたすぐ後にいただいた質問です。ジェルについての質問は、よくいただきます。

動画では、聞き手の高島さんとやり取りしながら答えているので、その流れに沿って書いていきます。

(動画で見たい方はこちら)

ジェルの正解は、人によって違う

ちょっと前提が長いんですけど、まず前提の話をさせてください。

ジェルを5kmおきに1本飲んだほうがいいとか、何十分おきに1本飲んだほうがいいとか。そういうことをズバッと言うのは、結構難しいんです。

なぜなら、人によるからです。

ジェルなんて全然飲まなくてもいい人もいるだろうし、ジェルは絶対必要という人もいるだろうし。

逆に、ジェルを飲んだら気分が悪くなって、パフォーマンスが落ちた、タイムが落ちた、という人もいるんですね。

体質も関わってくるので、ズバッと答える形にはできません。今回お伝えしたいのは、考え方です。

今回の質問をくださった方も、僕が知っている方です。

サブ3ランナーはいらない、という話をした覚えはあります。ただ、それは「絶対にいらない」ということではなくて、「いらない人もいるかもね」という感じなんです。

では、なぜそういう結論になるのか。そこを考えてもらえたらと思います。

高島さんの場合

高島さんは、走り始めた頃、周りの人がジェルを取るのが当たり前だと思っていたそうです。SNSを見ても、みんな取っている。だから、いるものなんだな、と。

ハーフまではジェルを一切取らず、フルになったら必要なのかな、と思っていた。

ただ、元々胃腸がすごく弱くて、フルマラソンで長い時間走ると、お腹がダメージを負ってしまう。

練習で1回ジェルを試したけれど、合わなかったそうです。

取らなくても、スポーツドリンクで必要なカロリーは取れるから大丈夫ですよ、と僕から伝えてからは、「別になくてもいいんだ」という気持ちで走れるようになった、と話していました。

今は、フルマラソンでもジェルは取らずに、カロリーを摂取できるスポーツドリンクで補給しているそうです。

それでも全然いいと思います。

こんなふうに、本当に人によって最適解は変わってきます。体質もいろいろあるので、そこは考えないといけない。

その上で、考えるポイントを3つお伝えします。

1つ目:ジェルに期待しすぎない

1つ目は、考え方というか、マインドの話です。

ジェルに期待しすぎない。

SNSを見ると、このジェルを飲んでうまくいきました、このジェルを飲んで自己ベストが出ました、という声が多いですよね。

だから、ジェルは取らないといけないものなんだ、と思ってしまうかもしれません。でも、それは結構マーケティングなんです。

あまりそこに惑わされずに、一度俯瞰して考えてほしいんです。

まず、ジェルを取る目的は何か。

エネルギー切れを防ぐための、カロリー摂取ですよね。

では、ジェルに含まれているカロリーはどれくらいか。大体160kcal、多くても200kcalくらいだと思います。

一方、フルマラソンで消費するカロリーは2000kcalくらい。

2000kcal消費するのに、ジェル1つで摂取できるのが160kcal。

高島さんも「少ないな、という印象があります」と言っていました。

そうなんです。少ないんですよね。

2000kcal消費するから、2000kcal摂らないといけないのかというと、そうではない。じゃあ1000kcal摂取しないといけないのかというと、そうでもない。カロリーを摂ればいい、というものでもないんです。

この後で話しますが、カロリーを摂ることのデメリットもあるので、そこは冷静に考えないといけません。

160kcalを摂ったからといって、それまでヘロヘロだったのが元気に復活して走れるようになる、ということにはならないと思います。

その時点でヘロヘロになっているなら、それはもっと前の段階に問題がある。そもそもスタミナが足りなかった、給水が足りなかった。そっちのほうが根本的な問題です。

足が全く動かない状態で、ジェルを飲んだくらいで復活する、というのは考えにくい。僕の周りのランナーや、指導させていただいているランナーを見ても、そういうことはあまりないと思います。

160kcalにそこまで期待しすぎると、話がおかしくなってくると思います。

2つ目:ジェルにはデメリットもある

1つ目の話を聞いて、「でも、160kcal摂れるなら、取ったほうがいいじゃないか」と思いますよね。

ただ、取れば取るほどいい、というものでもありません。物事には、メリットとデメリットが必ずあります。

ジェルを取るメリットは、もちろんあります。カロリーを摂取できる。カフェインを摂取できる。

同時に、デメリットも考えないといけません。高島さんのように、お腹を壊してしまったり、内臓にすごく負担をかけてしまったり。

そのメリットとデメリットを比べて、自分に合うかどうかを考えてほしいんです。

僕は割と胃腸が強いほうなので、お腹のデメリットはあまり感じません。ただ、ジェルを取ることでパフォーマンスが落ちるな、と感じることは結構あります。

1つは、走りに集中したい時に、袋を破って飲む、という行動自体がリズムを崩す。味が飽きる、美味しくない、というのもあります。

もう1つは、血糖値の乱高下です。

ジェルを取ると、一瞬エネルギーが湧いてくる感じはあるんですよ。でも、一瞬血糖値が上がると、その後また急激に下がる。この血糖値の乱高下で、すごく疲れるんです。

集中力がなくなってきたり、リズムが途切れてきたり、という感覚があります。

理論的に言っても、走りながらカロリーを摂取するのは、胃腸に、内臓に負担がかかります。

走る時は、筋肉や運動するための器官に血液を回しますよね。普段は内臓に回している血液を、走っている時は筋肉のほうに回す。だから、その分、内臓には血が行き渡っていない状態です。

その状態で何かを食べるのは、とても内臓に負担がかかる。お腹を壊したり、戻してしまったり、というケースも結構聞きます。

これは、絶対にジェルを取るな、ということではありません。自分の体質もあるし、そもそも走りながら何かを食べるのは内臓に負担がかかる行為だ、ということを知っておいてほしいんです。

3つ目:ジェルより先に考えることがある

3つ目も、マインドセットのような話です。

ジェルよりも、考えるべきことがあるんじゃないですか、と。

ここまでで何回か言いましたが、レース中に足が動かない、もうこれ以上走れない、となった時に、ジェルを飲んだからといって復活することはないと思います。

根本的な問題は、もっと手前にあるんですよね。

スタミナをつけるトレーニングをすればよかったのか。脂質代謝を促すような体質に変えていくことなのか。

これはレース当日の付け焼き刃でできることではないので、すぐにどうにかできる問題ではないかもしれません。でも、影響力としては、そっちのほうが本当に大きいと思います。

マラソンで30km以降失速した。ジェルの補給の仕方がおかしかったのかな。

すぐそっちに問題意識を持っていきがちな人が多いんですけど、いや、それよりも前に、もっと問題があるんじゃないか。そういう発想を持ってほしいです。

優先順位は、結構大事です。

マラソンの成果は、基本的にトレーニングで決まるものだと思います。ジェルの補給や、どういうシューズを履けばいいのか、というのは、最後の1割くらいの話。

そこを過大評価している人が多すぎるな、という問題意識があるので、3つ目のポイントとしてお伝えしました。

飲まないといけない、という先入観は捨てていい

直接的に答える形ではなくて、申し訳ないです。飲むのか飲まないのか、はっきりしろ、と思われるかもしれません。

でも、考え方のほうが大事だと思うんです。

それに、僕なりにバランスを取らないといけない、とも思っています。

SNSやいろんなメディアを見ると、ジェルを飲んだほうがいい、これを飲んだら速くなった、という声が多い。なので、逆に僕のように「ちょっと冷静に考えてみようよ」という意見があってもいいと思うんです。

自分には合わないから取らない方向で行こうと思うけど、それでいいのかな、と不安になっているなら、安心する材料になると思います。

飲まないといけない、という先入観は捨ててもいいと思います。

一旦フラットに考えて、必要であれば、もちろん取ってもいい。ただ、デメリットもあるし、他にも考えることがいろいろあるかもしれない。いろんな面から考えてほしいです。

こういうことばかり言っているので、サプリメントのスポンサーは絶対来ないと思います。笑

スポンサーがついていない分、忖度なく言えるわけです。

ジェルを取るなら

ただ、もしジェルを取るなら、低GIのものがいいと思います。

血糖値の上昇を緩やかにするものです。

さっき話した通り、血糖値が上がったり下がったりすると、集中力を削られたり、パフォーマンスの低下につながる感覚があります。

低GIのジェルは血糖値の上昇が緩やかなので、少しずつエネルギーに変わっていく。内臓への負担も少ないんじゃないかな、と思います。

ジェルを選ぶ時の参考にしてもらえればと思います。

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それでは。

ぼっちランナーズ【BRC】
代表 上原一真

上原 一真
上原 一真
ランニングコーチ / ぼっちランナーズクラブ【BRC】代表
Profile
株式会社SmilesMiles 代表取締役
1992年生まれ、鹿児島県出身。

2005年、中学時代より走り始めランニング歴は20年以上。ランニング指導歴は10年以上。

1500m~5000mなどのトラック競技から100kmを超えるウルトラマラソン, トレイルランニング, 駅伝など幅広く嗜む。
フルマラソンの自己ベストは、2時間34分16秒 (2021年)。

2015年から市民ランナー向けにランニングの指導を始め、サブ4~サブ2時間35分まで様々なレベルの市民ランナーの自己ベスト達成をサポートしてきた。

現在は、オンラインランニングクラブ【ぼっちランナーズ / BRC】を主宰。
「ひとりで頑張るランナーに、もっと強くなるきっかけを与え、自己重要感が高まるランニングを楽しんでもらう」をテーマとして指導に力を入れている。
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