STEP2. 「目標VDOT」と「トレーニングペース」を把握する

「解体新書」#22
次は、あなたの“目標設定”を行います。 つまり「目標VDOT」とそれに対応する「トレーニングペース」を明らかにします。
Cさんの目標はフルマラソンで「サブ3」を達成することです。 なので、「2時間58分」というタイムを基準に考えてみましょう。
54
例) フルマラソンの目標タイムが2時間58分(サブ3)であるCさんの場合
目標:4ヶ月後の◯◯マラソンで「サブ3(3時間切り)」
目標VDOT (走力):
[目標VDOT=54に対応するトレーニングペース]
Eペース:5:14 ~ 4:38 /km
Mペース:4:14 /km
Tペース:4:00 /km
Iペース:3:41 /km
Rペース:1:22 /400m = 3:25 /km
以上が、Cさんの「目標VDOT」とそれに対応する「トレーニングペース」です。狙ったレースま でにこのくらいのラインまで走力をアップさせることが目標というわけですね。練習時でこれく らいのペースで走れるようになれば「サブ3は近い」と言えます。
【BRC】マラソン完全攻略「解体新書」 2/2ページ
例えば、Cさんの目標VDOT = 54に対応するIペースは「3:41 /kmペース」。 Iペース(インターバル)の代表的なトレーニングは例えば、「1000m × 5本 インターバル」があり ます。ということは、Cさんは目標レースの時までにこの「1000m × 5本 インターバル」という 練習を「3:41 /kmペース」で走れるようになっておけばいいのです。
Cさん :
なるほど!! 練習でそれくらいのレベルで走れるようになれば、フルマラソンではサブ3出 来る可能性が高いと推測できるんだね。
ウエハラ :
はい。とはいえ、もちろんVDOTはあくまで目安に過ぎません。 しかし、世界の長距離・マラソン界で広く長く使われてきた指標なので、一 度は信用して使ってみる価値のある指標と言えるでしょう。
Cさん : でも、いきなり目標VDOTのレベルで練習するのは難しいよね?
ウエハラ :
その通りです。 いきなり練習強度を上げ過ぎると怪我のリスクも高まりますし、そもそも練 習がこなせないかもしれません。 マラソンは長い目で計画的に練習するスポーツです。
ということで、次回はトレーニング期間を「期分け」することについて考えていきます。
「期分け(ピリオダイゼーション)」とは、「どの時期にどういった練習をすべきか(どの身体スキル を伸ばすべきか)」を考えることです。それから、トレーニング期間を細分化し、その期間ごとの 「小目標 = マイルストーン」を立てていくという流れです。
1. トレーニングの本質は、「現状」から「目標」までのギャップを目標期日までに埋めること。
2. 第2ステップとして、「目標VDOT」と「トレーニングペース」を把握する。
3. 目標レースまでに、目標VDOTのトレーニングペースで走れるようになろう。
【まとめ】トレーニング計画の作成 #STEP2
「目標VDOT」
と
「トレーニングペース」を把握する。