シーズン序盤(春〜夏)に30km走は必要?|30km走の3つの取り組み方
こんにちは。
ぼっちランナーズ【BRC】代表の上原です。
今回は、LIVE配信で、BRCのメンバーからいただいた質問にお答えします。
30km走は、今の時期(5月、シーズン前半)にやる必要はありますか?30km走を行う上で気をつけるべきことはありますか?
ありがとうございます。
(動画で見たい方はこちら)
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30km走で、どのスキルを伸ばすのか
30km走で自分のどのランニングスキルを伸ばすのか、という観点で考えてみてほしいんですけど、30km走はどう考えてもピュアスピードの練習ではないですよね。
どのあたりかというと、レースペースから有酸素能力、ダニエルズ的に言えばEペースのあたり。ちょっと難しい言い方をすると、有酸素性作業閾値(AeT)のあたりになるのかなと思います。
ただ、一つの練習に一つの目的しかない、という短絡的な話ではありません。30km走は、脂質代謝能力も、筋持久力も鍛えられる。いろんな要素が絡み合っているので、ちょっと整理する必要があります。
30km走の3つの取り組み方
僕なりの分類ですが、30km走の取り組み方は、目的によって大きく3つに分けられると思います。
- 基礎スタミナ養成:30kmという長い距離を走り切ることを重視する
- 現状確認:現状に合わせた設定ペースで走ることを重視する
- スピード持久力養成:狙ったペースを持続させる力を養うことを重視する
① 基礎スタミナ養成としての30km走
これは、基礎的・一般的なトレーニングに分類されるかなと思います。シーズン序盤の今の時期にやるなら、これだと思います。
厳密にペース設定を行わず、とにかく30kmという長い距離を確実に走り切る、という意識で取り組むのがいいかなと思います。
そのペースを1秒たりともズレちゃいけない、という意識じゃなくて、ある程度長い距離を走り込めば目的は果たされます。目的が基礎スタミナの養成だからです。ペースを維持するよりも、しっかり長距離を走り切ることが大事になってきます。
ロングジョグやLSDとほぼ同じ立ち位置なので、30kmという距離にこだわらなくてもいいと思います。30km走り切れないなら、25kmでもいい。とにかく長い時間、長い距離を走ることが目的の練習です。
② 現状確認、③ スピード持久力養成としての30km走
こちらは、基礎的な下地を養った後に取り組む、どちらかというと特異的なトレーニングです。マラソンに近いトレーニングですね。レースの3か月前から1か月前くらいを目安に取り組むのがいいかなと思います。
なるべくマラソンに生きるようなペースを設定して、ある程度ペースを意識して走る。別の言い方をすると、レースでの再現性を高める目的もあります。
イメージとしては、基礎スピードと基礎スタミナ、この両極端の能力を結びつけるトレーニングです。シーズン前半で素材をしっかり育てた上で取り組まないと、あまり効果的ではありません。スピードもスタミナも育っていない状態でやっても、ちぐはぐな結果で終わる可能性が高いと思います。
②の現状確認は、その時の状態に合わせて、確実に30km走り切れるペース設定が重要です。あまり背伸びせずに、しっかり走り切りましょう。
③のスピード持久力養成は、設定ペースとしてはギリギリを攻めていく形です。目標レースから逆算してペースを設定することが大事になってきます。
具体的には、目標のMペースに10〜15秒くらいプラスした形ですかね。サブスリーであれば、目標のMペースは4分14秒前後だと思うので、それに10〜15秒足して、4分25秒〜4分30秒くらいで30km走れれば、なかなかいい感じなんじゃないかなと思います。
結論
30km走は、それ単体で基礎能力が強化されるというものではありません。個別に育てた基礎能力、つまり基礎的なスピードと基礎的なスタミナを結びつけるトレーニング、特異的なトレーニングです。
なので、厳密にペースを設定するような30km走は、シーズン前半ではやる必要はないと思います。
特に夏の時期は、ペースを厳密に設定して30km走り切るのは、現実問題難しいところもあります。かなり暑いので。
今の時期は、特定のペースの維持よりも、基礎スタミナを養う目的でしっかり走り込み、脚づくり・体づくりを意識していきましょう。ペースをしっかり守る30km走は、もう少し涼しくなってから取り入れていくのがいいのかなと思います。
追加の質問:10月のレースに向けて、8〜9月の30km走はペースを落としていい?
配信中に、こんな質問もいただきました。
10月にレースがあり、1〜2か月前の8月・9月に30km走をやる場合、暑くてもレースペースを意識して走った方がいいでしょうか?仕上げの時期だとペースを落としたくないイメージがありますが、10秒、20秒落としてもいいですか?
10月にレースがある場合、特異的なトレーニングをする時期が真夏に被っちゃうんですよね。
ペースは落としていいと思います。涼しい時期に走る時よりもパフォーマンスが落ちるのは、仕方ないです。それだけ体に負担がかかっているわけなので。
1kmあたり15秒落とすくらいはいいかなと思います。どれだけ暑いかにもよりますが、涼しい時とは全然違うくらいパフォーマンスは落ちると思うので、ペースを落としても構いません。
10月のレースの直前くらいから少しずつ涼しくなってくるので、そのくらいからグイグイ伸びてくると思います。
8月・9月に走っている時は、あまり走れていないなと思うかもしれません。でもタイムだけを見るんじゃなくて、夏場にこれだけ走れるなら涼しくなったらもっと走れるよね、という予想をした上でペースを設定するといいと思います。涼しくなれば、本当に1kmあたり10〜15秒くらい速くなります。
暑い時に無理してスピードを上げようとすると、本来狙ったトレーニング負荷よりも高い負荷がかかってしまいます。オーバーワークにもつながりますし、熱中症の危険性もあるので、こなせるペース設定をすることが大事かなと思います。
最初は本来の設定から20秒落としくらいで始めて、走れる体になってきたら少しずつ上げていくのがいいかなと思います。
夏場にパフォーマンスが落ちるのは、トップランナーでも同じです。マラソンで冬場と比べて10分くらい落ちるのも珍しくない話なので、それを踏まえた上でペース設定をしていきましょう。
特異的な時期への切り替えは「グラデーション」
一般的には、目標レースの2か月前くらいから特異的な練習をしっかりやっていった方がいい、と言われます。ただ、特異的な時期をどれくらい確保するかに、絶対的な決まりがあるわけではありません。
10月のレースなら8月から特異的なトレーニングを始めたいところですが、8月はまだ暑い。その時期にガンガン特異的なトレーニングをするのは、現実的に厳しいところも考えた方がいいかなと思います。
なので、8月の段階では、基礎的なトレーニングと特異的なトレーニングの中間、移行期のような期間を設けるのがいいのかなと思います。日本の夏はかなり過酷な環境なので、コンディションも鑑みて、強度や量を調整していく必要があります。
期分けは、パキッと切り替わるというよりは、グラデーションがあると思います。特異的な時期だからといって30km走しかしない、という極端な話ではなく、じっくりスタミナを鍛える練習をしてもいい。その時の目的によって練習を整えていく形ですね。
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それでは。
ぼっちランナーズ【BRC】
代表 上原一真
