「型」を守れない奴に、「型」は破れない|ぼっちランナーズ【BRC】
コラム

「型」を守れない奴に、「型」は破れない

上原 一真

こんにちは、上原です。

先週末の別府大分(別大)マラソンに参加された方、大変お疲れ様でした!
BRCメンバーも複数名が別大マラソンに参加され、快走の報告をもらっております。

別大の他にも様々なレースが毎週のように開催されているので、きっとそれぞれの方がいろんなレースを走られたことと思います。まずは頑張った自分をたっぷり労ってあげてくださいね。

そして、これから本命レースが控えている方は、最後まで体調管理に気をつけ、心身ともに最高のコンディションで当日を迎えられるように準備していきましょう。健闘をお祈りしています^^

トレーニングが順調に進んでいる人 vs トレーニングが順調に進んでいない人

さてさて、それでは本題へ。

BRC -スタンダードクラス- では、様々なレベルのランナーがそれぞれの目標に向かって日々トレーニングに励んでいます。

特に今はもう2月ですから、本命レースに向けてトレーニングが佳境に入っているメンバーも多いですね。

しかし、そんなBRCメンバーの中でも「トレーニングが順調に進んでいる人」と「トレーニングが順調に進んでいない人」に分かれてきている印象を受けます。

もちろん僕は、BRCメンバー全員に成功してもらうために日々サポートさせていただいていますから、全員にトレーニングを順調に進めて欲しいと思っています。

しかし、それでも、「トレーニングが順調に進んでいる人」と「トレーニングが順調に進んでいない人」が出てきている。

これは僕自身、真摯に受け止めなければいけない事実ですし、その原因と解決策をきちんとBRCメンバーに提示しなければいけないと思っています。

ちょっと耳が痛い話になるかもしれませんが、特にBRCスタンダードメンバーは、最後までお読みください。

トレーニングが順調に進んでいない人の2つのパターン

まず、「トレーニングが順調に進んでいない人」の典型的なパターンを2つ挙げます。

これは書き出してみると当たり前のことなのですが、何度伝えても伝え足りないほどに大事なことなので、敢えて書き出しておきます。

「トレーニングが順調に進んでいない人」の典型的なパターンは、、、

  1. トレーニングが不足している
  2. トレーニングが過剰である(オーバートレーニング)

この2つです。

「今更それかよ」と思うかもしれませんが、結局行き着くところは「適切なトレーニング負荷」ですから、この視点はいつ何時でも忘れないでいただきたいです。

少な過ぎるのはダメ、多過ぎるのはもっとダメ

「トレーニングが不足している」に関しては、言わずもがな、ですよね。

トレーニングが上手くいかない原因として、「トレーニングが不足しているから」というのはあまりにも自明なので、これに関しては僕も「もっとトレーニングしましょう」としか言えないです。

いや、もちろん相手にはランニング以外の事情もあることは重々理解していますので、実際には「もっとトレーニングしましょう」の一言で終わらせることはないですよ。
僕もそこまでサイコパスではないので、ちゃんと相手の背景を理解した上でアドバイスさせていただきます。

ただ、理屈上は、「足りないなら、適正なラインまで増やせば良いよね」という単純な回答で事足りてしまうのです。

では、「トレーニングが過剰である(オーバートレーニング)」ということに関しては、どうでしょうか。

実はこれ、「トレーニング不足」よりも「トレーニング過剰」の方が厄介な問題なのです。

だって、当の本人は「頑張ってたくさん練習している」わけですから。
「良かれと思って頑張っていること」を否定されるのは誰もが嫌です。僕だって嫌です。

  • 自分はまだまだ努力不足だ
  • もっともっと練習しなきゃいけない
  • 休んでいる場合じゃない

そう信じて疑わずに毎日頑張っている人にとって、その努力を否定されるというのは極めて受け入れ難いでしょう。
理論上は「もっと休んだほうが良い」と分かっていても、感情的にまず否定してしまうのです。

  • こんなに頑張っているのに、結果が出ないのは何故なんだ
  • 結果が出ないのは、まだまだ練習が足りないからだ
  • もっと頑張らなきゃいけない

と、さらにトレーニング量を増やそうとしたり、ポイント練習(ハードな練習)の回数を増やそうとしたりする方向に進み、「オーバートレーニング」をさらに助長してしまう。

こういう事情があって、頑張り屋さんの人ほどオーバートレーニングや連鎖的な故障に陥りやすいし、その問題にすら気づかないことも多いのです。

あ、ちなみにこれは全部僕自身も経験してきたことなので、別に恥ずべきことではないです。真面目なランナーなら誰しも通る道です。笑

トレーニングが順調に進んでいる人の特徴

では逆に、「トレーニングが順調に進んでいる人」はどのような特徴があるのか。
その傾向を見ていきましょう。

「トレーニングが順調に進んでいる人」は、、、

  • トレーニングを適切なタイミング、適切な強度、適切な量で行なっている

ということ。

多過ぎもせず、少な過ぎもせず、まさに“過不足なく”トレーニングしている、というわけですね。

マラソントレーニングにおける大きな間違いの一つが、「やればやるだけ速くなる」というもので、とにかくみんな「足し算」をしたがります。

  • あの有名なインフルエンサーが、「10kmタイムトライアルをやるべきだ」と言っていたから取り入れてみた
  • あのランニングコーチが、YouTubeで「毎週30km走をやれ」と言っていたから毎週30km走に取り組んでみた
  • あのYouTuberが、「ジョグは速く走れ」と言っていたからジョグは速く走ってみた

などなど、ありとあらゆる情報を雑多に取り込んでしまいがち。

これらを全て「足し算」式に詰め込んでいくから、オーバートレーニングや怪我を引き起こしてしまうわけです。

もちろん上記に挙げたような情報発信者たちも、決して悪意を持って嘘を伝えようとしているわけではないと思うんです。むしろ一側面としては正しい情報なのでしょう。

しかし、あらゆる物事は多面的に見るべきであって、一側面では正しくても、全面的にみたら間違っているなんてことは往々にして起こり得ます。

「美味しいもの」と「美味しいもの」を足したら「不味いもの」になることがあるように、「正しい情報」と「正しい情報」を足したら「間違った情報」になるなんてことも現実にはザラに起こる。

我々が生きる現実世界は、「1+1=2」のように全てが要素還元的に説明できるわけではなく、「1+1=5」になることもあれば、「1+1=0.5」とか「1+1=-(マイナス)3」とかになることもあるのです。

だから、必ずしも「足し算」をすればいいわけではなくて、時には「引き算」や「掛け算」をしなければいけないし、「全体の調和」というものを考えないといけません。

では、「全体の調和」というものを考えた時に何が大事になるのかと言うと、、、

「型」を守る

ということです。

具体的には、BRCのスタンダードメンバー全員に配布している練習メニューテンプレート『WINNING』が一番分かりやすいでしょう。

『WINNING』は、3ヶ月〜6ヶ月の期間を一つのストーリーとして作成されたトレーニングプログラムです。

トレーニングを単体として捉えるのではなく、全体の流れとして捉えて、それをそのまま真似してほしいという意図で作成しました。
だから、やや乱暴な言い方ですが、基本的には『WINNING』の通りにトレーニングを進めていけば良いのです。

もちろん『WINNING』はテンプレートですから、世界中の誰にとっても完全無欠の練習メニューである、と断言はできません。

ただ、「サブ4〜サブ3を目指す市民ランナーに向けたマラソントレーニング」としての、大きな流れは堅実に押さえられていますし、「トレーニング負荷」「回復サイクル」「期分け」など、あらゆる角度からバランス良くトレーニングが配置されています。

事実として、BRCメンバーの中でも、トレーニングを順調に進めている人たちは、この『WINNING』の「型」を忠実に守って練習しています

逆に、トレーニングが順調に進められていない人たちは、どこかで「自分流」を織り交ぜていたり、他の練習会のトレーニングにも参加していたり、他所から教わった情報を「足し算」していたり、不安を解消するためにトレーニングを増やしていたりします。その結果、オーバートレーニングや怪我を引き起こすケースが多い。

これらの行為が絶対的に悪いということではありませんが、いろんな情報やトレーニング理論をごちゃ混ぜにすることで、僕が『WINNING』のトレーニングで想定していた調和が崩れてしまう可能性は否めません。

確かに、『WINNING』は、堅実的に組まれたトレーニングプログラムなので、若干の物足りなさを感じる人も多いと思いますが、僕は「オーバートレーニングや怪我を起こさずに、長期的に結果を出すこと」を優先しているので、敢えて物足りないくらいの練習内容にしているのです。

だから、まずは『WINNING』という「基本の型」通りに練習してみて欲しいと思います。

「型」を守れない奴に「型」は破れない

ただ、「型を守れ」と言われると、

  • 型になんてハマりたくない
  • その型が自分に合ってるかなんて、分からないじゃん
  • 自分に最適なトレーニングを追求したい
  • みんな一緒なんて気持ち悪い
  • 俺は型破りなことがしたいんだ

と反発してしまう人がいるのも分かります。僕もそのタイプなので。笑

でも、残念ながら、「型」を守れない奴に、「型」は破れません

東洋の剣道や茶道など「道」の世界には、「守・破・離」という考え方がありますが、これは、

  • 守 … 型を守る
  • 破 … 型を破る
  • 離 … 型を離れる

という3段階を経て、その道を極めていくと言う考え方です。

ここで大事なのは、「守・破・離」という順序を守ることであって、「型を破る」とか、「型を離れて自分流を極める」とかの前に「まず型をマスターしろ」ということですね。

「型」を完璧に習得しているからこそ、その「型」と「自分」のズレをハッキリと理解することができ、そこで初めて「型」から離れることができる。そして、その次段階として「自分なりの型」を確立していくことができるわけです。

そして、『WINNING』という練習メニューテンプレートも、まさに「型」ですから、まずはこの「型」通りに忠実にトレーニングを遂行して欲しい。

そして、「型」をきちんとマスターできてから、徐々に自分なりのアレンジを加えるなり、「自分流」を極めるなりしていただければ良いかと思います。

あなたにとって本当に必要な情報とは何か?

あなたも、この文章を読んでいるくらいですから、きっといろんなところでランニング・マラソンの勉強をしているでしょうし、僕以外の人の話もたくさん聞いているでしょう。
それはそれでとても良いことだと思います。いろんな角度から物事を学ぶのは大事ですから。

でも、それは僕も同じで、僕だって20年近く走り続けながら、何百万円も投資して国内外のありとあらゆる情報に触れてきて、人体実験を重ねてきたわけです。

おそらくですが、あなたがアクセスできる情報には僕もとっくにアクセスしていますし、その情報から本当に大事なエッセンスだけを抽出して体系化しています。

そ、の、う、え、で、、、!!

僕は「サブ4〜サブ3を目指す、一人で練習している独学の市民ランナー」に向けて最適化された情報やトレーニングメニューを提供し、アドバイスをしているのです。

そりゃ僕だってやろうと思えば、ひたすらに難しい情報をお伝えすることもできますし、ひたすらにマニアックなトレーニング方法を教えることもできますよ。
ゴリッゴリに結果にコミットしたい人向けの練習メニューを考えることもできます。

でも、それって相手が付いてこれなければ意味ないじゃないですか。相手がついて来ていないのに自分一人だけ張り切って暴走するのはただの「自己満」ですし、本当の意味での「指導」ではない。だって、相手を理想へ導けていないのですから。

要するに何が言いたいかというと、僕は世の中の溢れんばかりの情報から「あなたにとって必要な情報やトレーニング方法」を厳選してお伝えしているということです。

今やインターネットで「ランニング」と検索すれば、約1億件の記事がヒットしますし、英語で「running」と検索すれば約70億件の記事がヒットします。
あなたは、この情報量を目の前にして、すぐさま「何が自分にとって必要な情報なのか」理解して取捨選択できますか?

まあ流石に僕も70億件全部をチェックしたわけではありませんが、、、笑

でも、情報の目利きや整理整頓、発信活動、そしてランニング指導に関しては、プロとしての自覚を持ってやっていますし、その上で、目の前の相手、つまりそれぞれのBRCメンバーに最適化されたアドバイスをしています。

だから、もしあなたが僕のことを信頼していただけるのであれば、いろんな意味で頼っていただきたいと思います。

別に、BRC以外の場所や僕以外の人から学んでもらっても全然構わないですし、むしろ大いに推奨しますが、その結果混乱してしまったり判断に迷ったりした時はいつでも相談してくださいね。

BRCのスタンダードクラスでは、いつでもコーチに相談できる環境が整っていますから。

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ABOUT ME
上原 一真
上原 一真
ランニングコーチ / ぼっちランナーズクラブ【BRC】代表
株式会社SmilesMiles 代表取締役 1992年生まれ、鹿児島県出身。 2005年、中学時代より走り始めランニング歴は17年以上。 1500m~5000mなどのトラック競技から100kmを超えるウルトラマラソン, トレイルランニング, 駅伝など幅広く嗜む。フルマラソンの自己ベストは、2時間34分16秒 (2021年)。 2015年から市民ランナー向けにランニングの指導を始め、サブ4~サブ2時間40分まで様々なレベルの市民ランナーの自己ベスト達成をサポートしてきた。 現在は、オンラインランニングクラブ【ぼっちランナーズ / BRC】を主宰。 「ひとりで頑張るランナーに、もっと強くなるきっかけを与え、自己重要感が高まるランニングを楽しんでもらう」をテーマとして指導に力を入れている。
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