マラソン練習で走るべきペースとは?|ダニエルズの5種類のトレーニングペースを解説
こんにちは。
ぼっちランナーズ【BRC】代表の上原です。
今回は、マラソンランナーのバイブルとも言える『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』から、5種類のトレーニングペースについて解説します。
マラソン練習をやっている、これから始める、という方の中には、練習でどれくらいのペースで走ればいいかわからない、という方も多いと思います。練習でどれくらいのペースで走るのが適正なのか、ここで整理しておきましょう。
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ペースを考える2つの観点
『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』では、練習の目的や内容によって、5つの適正なトレーニングペースがあると言っています。これを使い分けていきましょう、という話です。
マラソン練習のペースを考える時に、頭に入れておきたい観点が2つあります。
① あなたの走力レベル(VDOT)
走力レベルは、VDOTのことです。ランナーAさんとランナーBさんで走るレベルが全然違うのに、練習で走るペースが同じ、というのはおかしいですよね。それぞれのレベルに応じた練習のペースがあります。
これは、あくまで走力を上げたい時の話です。競技力に関係なく楽しく走りたい時は、走力の違う人と一緒に走っても全然いいと思います。
② トレーニングの目的と種類
普通のジョギングのペースと、マラソン本番で走るペースは違いますよね。シチュエーションや目的によって、走るペースも変わってきます。
5種類のトレーニングペース
- Eペース(イージーペース)
- Mペース(マラソンペース)
- Tペース(閾値ペース)
- Iペース(インターバルペース)
- Rペース(レペティションペース)
Eペース(イージーペース)
楽に感じるペース、会話ができるくらいのペースだと、ダニエルズ理論では言われています。マラソン練習の基本となるペースで、普段のジョグはEペースで走りましょう、というのがダニエルズ理論です。
ただ、一つ注意点があります。ダニエルズのEペースは全然イージーじゃない、という人が結構多いんです。僕もそう思います。
ダニエルズのVDOTの計算式は、マラソンランナー向けというよりは、5000mや10000mの陸上競技の長距離選手をターゲットにして作られている基準だったりします。普段のジョグからEペースを忠実に守ると、逆に負荷が高すぎるんじゃないかなと思ったりします。ここは自分で調整していくしかないですね。
Eペースで走る効果は、体の土台づくりです。心臓を発達させて心肺機能を高める、全身の毛細血管を発達させて血の巡りを良くし、酸素が全身にうまく行き渡るようにする、ケガに対する耐性を高める、などです。
具体的な練習は、普段のジョグです。30〜80分くらいのジョグを、Eペースで走るといいと思います。
サブスリーを目指す方なら、Eペースは1kmあたり5分14秒〜4分38秒。何度も言いますが、このペースを忠実に守らないといけないわけではなく、あくまで参考程度で大丈夫です。
Mペース(マラソンペース)
名前の通り、フルマラソンのレースペースです。サブスリーなら、1kmあたり4分14秒です。
目的は、実際のレースペースに慣れること。3時間を切りたいなら4分14秒で走らないといけないので、このペースに慣れる、というすごくシンプルな考え方です。あとは精神的なところで、自分はこのペースで走れるんだ、という自信をつける意味もあります。
具体的な練習メニューは、12〜16kmのMペース走など。
ちなみに、僕は14kmのMペース走を一つの目安にしています。これは僕の中で積み上げてきた経験則なんですが、例えば14kmを1kmあたり4分で余裕を持って走れた場合、フルマラソンでもだいたい4分ペースで走れる確率が高いんです。個人差はあると思うので、参考程度にしてもらえればいいかなと思います。
Tペース(閾値ペース)
練習では20〜30分くらい、レースなら60分くらい継続できるペースと言われています。感覚的な表現だと、「終わるのが待ち遠しい」感じです。
マラソンペースよりも速く、サブスリーの人なら1kmあたり4分00秒くらいがTペースになります。
TはThreshold、閾値のことです。乳酸性作業閾値(LT値)、簡単に言えば、楽に走れる最速ペースのことです。LT値は乳酸が急激にたまり始めるポイントで、ここを超えるとすぐにきつくなってしまいます。この楽に走れるラインときつくなり始めるラインの境界線がLT値です。
Tペースで走る練習を繰り返して、このLT値を引き上げていく。これがTペーストレーニングの狙いです。
具体的な練習は、Tペースで走ることを繰り返すクルーズインターバルなど。3km×3〜5本のような練習が定番です。
Iペース(インターバルペース)
きついと感じるペースで、最大11〜12分間継続できるペースです。死力を尽くして11〜12分継続できるくらいなので、実際にIペースで11〜12分走るのは結構きついと思います。
目安は、3〜5kmのレースペース。例えば3kmの自己ベストが10分30秒の人なら、1kmあたり3分30秒。これがだいたい、その人にとってのIペースになるんじゃないかなと思います。
Iペースで走る効果は、VO2max(最大酸素摂取量)の向上です。LT値と並んで、マラソントレーニングで本当に重要な機能です。どれだけ酸素を取り込んでエネルギーに変えられるか、ランナーにとっての最大スピードを表す数値で、Iペースで走ることで引き上げていくことができます。
具体的な練習は、3〜5分間走を繰り返す練習がVO2maxを向上させるのに効果的と言われています。距離にすると1000mくらいがベストだと思います。1000m×3〜5本、あるいは400m×15本なども代表的なIペーストレーニングです。
サブスリーランナーなら、Iペースは1kmあたり3分41秒くらい。1000m×5本なら、3分41秒で5本とも走りましょう、ということになります。
Rペース(レペティションペース)
だいたい2分間程度継続できるペースだと言われています。運動強度は、Iペースよりもさらに高くなります。
Rペースで走る効果は、無酸素性の能力の向上です。短距離に少し近づいてくるようなレベルのペースで、Iペースよりもさらに洗練されたスピードを鍛えていく感じですね。その結果、VO2maxも向上しますし、ランニングエコノミー、つまりいかに少ないエネルギーで速く長く走れるかという能力も向上します。Rペースくらいの速いペースで走ると、動きも良くなってくるんですよね。
ただ、ほとんどのマラソンランナーにとって、Rペースで走る頻度はそこまで多くないと思います。これまでのペースと比べると、重要度はちょっと下がるかなという感じです。運動強度が高い分、ケガをする確率も高くなるので、取り扱い注意な部分があると思います。
「レペティション」という言葉のギャップに注意
ダニエルズ理論でいうレペティションと、陸上の現場で使われるレペティションには、ちょっとギャップがあると思っています。
例えば、3km+2km+1kmをレペティションと呼ぶことがあります。でも、Rペースは2分間くらいしか継続できない、Iペースよりも速いペースです。それで3km走るのは無理があります。サブスリーの方のRペースは400mで82秒くらいなので、これで3kmはかなりきついですよね。
現場でのレペティションは、絶対的なペースのことではなく、9割、10割くらいの努力感で走る、という感覚で使われることが多いのかなと思います。所属しているランニングクラブや一緒に走る仲間と、この言葉の認識を合わせておくのが大事かなと思います。
まとめ
5種類のトレーニングペースは、Eペース(イージー)、Mペース(マラソン)、Tペース(閾値)、Iペース(インターバル)、Rペース(レペティション)です。
この5つを理解した上で、トレーニングの目的や種類に応じて使い分けていくと、マラソンの練習効果は飛躍的に高まると思います。
自分にとっての各ペースが知りたい方は、『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』を読んでいただくか、オンラインで無料で使えるVDOTの計算ツールを試してみてください。
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それでは。
ぼっちランナーズ【BRC】
代表 上原一真
