夏場のランニングにおける発汗と水分・電解質補給|真水だけでは足りない理由
こんにちは。
ぼっちランナーズ【BRC】代表の上原です。
今回は、LIVE配信でお話しした、夏場のランニングにおける発汗と、水分・電解質補給の話です。
先にメッセージをお伝えしておくと、今回は3つです。
- 発汗量は体調判断の目安になるので、日々の発汗量をチェックする
- 水分補給は、必ず電解質(イオン)が含まれたものを摂る
- 経口補水液という選択肢もある
(動画で見たい方はこちら)
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① 発汗量は体調判断の目安になる
汗をかくと、なぜ心拍数が上がるのか
汗の役割は、基本的には体温調節です。汗が蒸発する時の気化熱で体の熱が奪われて、体温を下げていく。こういうメカニズムで体温を調節しています。
一方で、汗をかくと体から水分が失われます。ここを知っておかないと、体調異常につながります。
汗をかくと、血液中の水分が少なくなります。そうすると血液の粘度が高まり、血流が悪くなります。汗をかくと血管は拡張するんですが、血液量が少ないので、低血圧のような状態になる。それでも血液を循環させないといけないので、心臓を速く動かす。その結果、心拍数が高くなります。
これが、夏場のランニングで心拍数が上がりやすいことのメカニズムです。冬場の涼しい時と夏場とでは、心拍数の上がり方が全然違うと思いますが、その裏にはこういうメカニズムがあります。
また、体の冷却に血液が使われるので、筋肉や脳への酸素供給が抑制されます。体が冷却の方を優先しようとするんですね。これも、夏場にパフォーマンスが上がりにくい理由の一つです。
体重の2%以上の脱水で、パフォーマンスが低下する
人間の体重の60%は水分が占めている、という話は聞いたことがある方も多いと思います。水分は体を構成する重要なもので、それが減ると体調に異常が出ます。
体重の2%以上脱水すると、パフォーマンス低下につながると言われています。体重60kgの人なら、1.2Lです。ランナーなら、このくらいは普通に脱水すると思うんですよね。
走る前と後の体重で、脱水量がわかる
走る前と走った後の体重を比べると、自分の脱水量が推測できます。
走った後に1kg、2kg減っていることはよくあると思いますが、それは痩せたわけではなく、ほとんどが水分です。2kg減っていれば、2L脱水したということ。かなりの水分を奪われているので、脱水症状の危険性も上がります。運動中にしっかり水分補給をすることが大事です。
普段から、自分が走る時にどれくらい汗をかいているのかを測っておくのは、体調をチェックする上で結構重要なんじゃないかなと思います。体調が悪い時は、発汗量が多くなったり、汗に含まれる塩分の濃度が高くなって汗がしょっぱくなったりすることもあります。
② 水分補給は、必ず電解質を含んだものを
汗で奪われるのは、水分だけではありません。電解質も奪われます。電解質は、わかりやすいところで言うと塩分、ナトリウムやカリウムなどです。
電解質が不足すると、神経伝達がうまくいかなくなる
神経は、脳から筋肉に指令を送る橋渡しをしています。電解質が不足すると、この神経伝達がうまく機能しなくなります。
その結果、筋肉のけいれん、めまい、集中力の低下などを引き起こします。マラソンで脚がつった時に、水分補給が足りなかったことが理由として挙がることが多いのは、こういうメカニズムがあるからです。
水だけを補給しても、電解質の補給にはなりません。ちゃんと電解質も水分と一緒に補給してください。そうでないと、筋肉のけいれんの予防にはそこまで意味がない、ということになります。
真水の飲みすぎは危険
むしろ、真水を飲みすぎるのは危険な行為です。アメリカでは、水を大量に飲んで死亡したケースもあります。
原因は、低ナトリウム血症だと言われています。血中のナトリウム濃度が著しく低下した状態のことです。ナトリウムを含まない水を飲みすぎたことで、血中のナトリウム濃度が下がり、体調に異常をきたす。気をつけてください。
塩分濃度0.1〜0.2%が目安
日本スポーツ協会によると、塩分濃度0.1〜0.2%の飲料が推奨されています。飲み物にどれだけ塩分が含まれているかをチェックするのが、わかりやすいかなと思います。
100mlあたり0.1〜0.2gということは、1000mlあたり1〜2gです。ランナーの場合はもう少し気持ち多めに、汗1Lにつき食塩1〜3gくらいを補給するのが理想だと思います。味噌汁1〜2杯分くらいですね。
主な電解質には、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、クロールなどがあります。役割として一番大きいのは、神経伝達かなと思います。特にナトリウムやカリウムが減少すると、筋肉がつったり、集中力が低下したり、頭がぼーっとしたりします。
③ 経口補水液という選択肢
普通のスポーツドリンクでも構わないんですが、経口補水液の方が電解質がたくさん含まれています。ランナーは発汗量が多く、電解質を失う機会も多いので、より電解質を吸収しやすい飲料もおすすめです。
大塚製薬さんの情報によると、経口補水液(OS-1)はスポーツドリンクよりも電解質濃度が高く、水や電解質の吸収を早めるために、スポーツドリンクと比べて糖濃度が低い組成になっています。
日常生活の水分・電解質補給であればスポーツドリンクでも十分ですが、たくさん汗をかくマラソンランナーであれば、もう少し専門的なものを使ってもいいのではないかなと思います。別に、OS-1とは何の関わりもないんですけど。
成分表を見ると、OS-1の食塩相当量は100mlあたり約0.3g。塩分濃度0.3%で、日本スポーツ協会の推奨を上回っています。普段の生活で飲むとしょっぱいかもしれませんが、走っている時はそれだけ塩分を失っているので、美味しく感じるんじゃないかなと思います。
ランナーは塩分を敵視しすぎない
現代人は塩分を摂りすぎと言われがちで、塩分はなるべく摂らないように、という常識もあります。
ただ、ランナーは一般の人と比べものにならないほど汗をかき、それだけ塩分も失っています。特に夏場は、普段の食事で少し塩分を多めに摂る、走っている最中もしっかり塩分を補給する、ということをしていただきたいなと思います。
配信中にいただいた質問
塩分タブレットの補給はどう?
塩分タブレットも、かなり有効だと思います。とにかく塩分の補給を忘れないようにしていただきたいですね。
塩分タブレットを2〜3個ポケットに忍ばせてロングランをすると、脱水症状のリスクを防げるんじゃないかなと思います。
夏場のランニングで1L汗をかくのは割と普通なことなので、1回のランニングで1〜3gの食塩を補給しておくのがいいかなと思います。塩分タブレットを使って、水は水で別に補給するなら、経口補水液にこだわる必要はないと思いますし、経済的にも安く済むんじゃないかなと思います。
汗をかきすぎていたら、練習の途中でも水を飲んだ方がいい?(5km程度)
30分未満のランニングであれば、一通り走り終わってから水分補給するのでもいいと思います。1時間走る、ということになってくると、途中で給水ポイントを入れた方がいいかなと思います。
5kmを決められたペースでしっかり走りたい、という目的があるのであれば、走り切ってから給水でもいいと思います。毎回走るのをストップして給水するのか、どちらを優先するか、という話にもなってくるので。
汗でびしょ濡れになる、靴までびしょ濡れになるくらいの人は、個人的には汗をかきすぎじゃないかなという気がします。脱水症状になる危険性も高いかもしれないので、水分補給をしっかりして、電解質が含まれたものを摂ってください。
電解質が含まれていないと、水を飲んでも、体は電解質の濃度を一定にしようとして水を排出しようとします。飲めば飲むほどまた汗が出てくる、つまり水を飲んでも吸収されない、ということになります。
また、筋肉質な人や男性は、発汗量が多い傾向にあります。筋肉に水分が蓄えられるので、筋肉が多い人は体の中にたくさん水分を蓄えているからです。個人差があるということは知っておいていただくといいかなと思います。
レースではどれくらいで給水する?苦しくなりにくい飲み方は?
これも本当に人によります。僕はあまり汗をかかないタイプで、たぶん筋肉量が少ないからだと思うんですけど、給水もそこまでたくさんはしません。冬場のマラソンだと、少しだけの給水で走り切ったりもします。
レース時間が2時間30〜40分くらいと短いので、給水のタイミングが少ない、というのもあります。個人の走力や体質で変わってくるので、これが万人に当てはまるわけではありません。
苦しくなりにくい飲み方は、少しずつ飲むのがセオリーかなと思います。一気に200ml以上は吸収できないと言われているので、一気に飲むのではなく、こまめに飲む方がいいかなと思います。
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それでは。
ぼっちランナーズ【BRC】
代表 上原一真
