ランニングフォーム概論③|ランニングエコノミーを高める4つのポイント
こんにちは。
ぼっちランナーズ【BRC】代表の上原です。
ランニングフォーム概論、最終回の3回目は、ランニングエコノミー、経済性の高い走り方の話です。
つま先着地がいいのか、かかと着地がいいのか、という枝葉の話ではなく、もっと本質的なところ。速く走るってどういうことなんだろう、という基本的なところを、今一度学び直してみましょう。
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おさらい
1回目では、ランニング動作をジャンプ動作、足の回転、体重移動の3つに分解しました。2回目では、ランニングスピードはストライドとピッチの掛け算で決まる、という話をしました。
ランニングスピードを上げたいだけなら、ストライドとピッチだけを考えればいいと思います。ただ、マラソンランナーには、速く走るだけでなく、決められた距離を速いスピードで持続させる力も必要です。
ランニングエコノミーとは
少ないエネルギーで、つまりエネルギーロスを抑えながら、いかに楽に速く走れるか。これがランニングエコノミーです。
マラソンなら、42.195kmという距離の中で、どれだけ速いペースで走れるかという競技です。いかに少ないエネルギーで良いパフォーマンスを発揮できるかが、すごく大事になります。
今回は、4つのポイントに絞ってお話しします。他にも方法はあると思いますが、こういう分類の仕方もある、というお話です。
① 安定性(スタビリティ)を高める
体の上下左右のブレを減らしましょう、という話です。
きつくなってくると、誰しも体が上下に振れたり、左右にブレたり、もがくような走りになってしまうんですよね。こういう走りは、無理やり体を動かそうとしているので、不必要なエネルギーを使っています。
行きたい方向は前です。上下や左右にブレている暇はありません。体を安定させて、前へ前へ行きましょう、という単純な話ですね。
そのためには、体幹の強化がすごく大事だと思います。やった方がいいか、やらない方がいいかで言ったら、絶対にやった方がいい。プランクやサイドプランク、ダイアゴナルといった基本的な体幹トレーニングを徹底しておくと、上半身の安定性も増してくると思います。
② ブレーキをかけない
ブレーキがかかっている走り方というのは、極端なかかと着地や、極端な後傾姿勢です。
極端なかかと着地だと、地面に与える力の向きが後ろ向きになり、返ってくる反発も進行方向と逆になります。体も後傾してしまっていて、後ろ方向に力が働いている。これがブレーキがかかっている状態です。
そうではなく、体全体を前に起こして着地すると、反発も進行方向、前の方向に働きます。
着地・乗り込み・蹴り出しの一連動作をスムーズに
ただ、かかと着地が絶対的に悪いというわけではありません。かかとから着地しているように見えても、すぐに乗り込み動作に移って、前に重心を移動できるのであれば、それはそれでありだと思います。
大事なのは、着地、乗り込み、蹴り出しの一連の動作をスムーズに行えるように意識することです。着地したら、すぐに乗り込んで体重を一直線上に載せ、地面を押し出して空中動作に入る。
この一連の動作がスムーズにできていないと、故障につながる可能性がすごく高いです。着地の衝撃はものすごいので、その衝撃をいかにうまく処理するかが、ケガをするかしないかの分かれ目になると思います。
もう一つのケガの理由は、オーバーワークです。体が出来上がっていない状態で、特定の部位に同じストレスを与え続けると、どれだけ綺麗に走れていても、筋肉や骨が限界を迎えてケガをすることもあります。
また、綺麗な動作をするには、余裕を持って走ることも必要です。速く走りすぎている時は、フォームが雑になって、それがケガにつながることも考えられます。
③ 出力と脱力をしっかり切り替える
「リラックスしろ」「力みすぎ」というアドバイスは、よく聞くと思います。それは、その時ランナーが力みすぎているからです。
ただ、力むことが必ずしも悪いわけではありません。常にリラックスしろ、常に脱力しろと言われたら、どこで力を入れればいいんでしょう。ランニング動作の中にも、力を出す瞬間はちゃんと存在します。それがいつなのかを押さえておく必要があります。
脚の出力期と脱力期
出力するのは、地面を押し出す瞬間です。着地して、しっかり乗り込んで、地面を押し出すときに力を爆発させる。
空中にいる時は、ほとんど力を入れていません。本当にリラックスしています。脱力すべき時に力んでしまっていると、エネルギーロスにつながりますし、力を抜いていないとうまく体重移動もできません。
腕振りの出力期と脱力期
腕振りにも、力を入れる瞬間と抜く瞬間があります。力を入れるのは、肘が体の側面を通過する瞬間です。
そこを通過したら、あとは惰性に任せて、腕が勝手に振られていく感じです。後ろに振り切ったら、また前に振る時に、肘が体側を通過するあたりで一番力が入る。前に振る時も後ろに振る時も同じです。
力を入れるからこそ、抜ける
力まなくていい時に力む、常に力んでいる、というのが一番のエネルギーロスにつながります。体が硬くなると動きも小さくなって、スピードも出ません。走る時はリラックスが重要と言われる所以だと思います。
かといって、出力するタイミングがないわけではありません。出力するタイミングでちゃんと力を入れるからこそ、脱力期にちゃんとリラックスできる。この切り替えが大事です。
- 出力期:地面を押す瞬間(脚)、肘が体側を通過する瞬間(腕振り)
- 脱力期:滞空している時間(脚)、惰性で腕が振られている時間(腕振り)
④ 上半身と下半身を連動させる
極端な例ですが、上半身を全く動かさずに下半身だけ動かしても、全然速く走れそうにないですよね。逆に腕振りだけやっても、速く走ることはできません。
腕振りと脚の運び、上半身と下半身を連動させて走ることが重要です。いい腕振りはいい脚の運びにつながり、いい脚の運びはいい腕振りにつながります。
上半身と下半身をつなぐのは、肩甲骨と股関節です。ランニングで本当に重要な部位で、ここをしっかり動かすと、腕振りの力が肩甲骨から股関節を伝わって脚の動きにつながり、脚の動きが股関節から肩甲骨を伝わって腕の動きにつながります。
腕を大きく回す動きに合わせて脚も動かすようなドリルもオススメです。下半身だけで走るより、上半身も使って走った方が効率的。使えるものはちゃんと使いましょう、という話ですね。
ランニングフォーム概論のまとめ
盛りだくさんの内容になりましたが、これでもなるべくシンプルに構造化したつもりです。もちろん、これでランニングフォームのすべてを網羅したとは思っていませんし、いろんな考え方があると思います。
ランニングフォームは、理屈で100%説明できるものではありません。実際に自分で体を動かしてみて、もうちょっとこうするべきかな、ああしたらいいのかな、という試行錯誤を繰り返すことで、理想のフォームに近づいていくのかなと思います。
つま先着地かかかと着地か、というのは、着地の一瞬の話で、本当に枝葉の部分です。ランニングフォームの全体像を見て、いろんな要素が組み合わさっていることを理解した上で、自分の場合はどこに問題点があるのか、それを解決するには何が有効なのか。そういったことを考える力を、実践も交えながら養っていってほしいなと思います。
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それでは。
ぼっちランナーズ【BRC】
代表 上原一真
