「報告する場」があるから、やる気が出る
こんにちは、上原です。
ここ2週間ほど、ブログやメルマガで僕自身の「自分トレーニング」を共有しているのですが、読者の皆さんから「為になります」とか「勉強になります」とか「勇気をもらえます」なんて言われることが結構多くて大変ありがたい限りです。
ちょっと前までの僕は「自分自身のことなんて共有してもしょうがないだろう」と思って、特に自己開示をすることはあまりなかったんですが、こういったポジティブな反応をもらえるとシンプルに嬉しいですね。
マラソントレーニングは個人によって最適解が違いますので、僕のトレーニングをそのまま真似したところで効果があるとは限りませんが、何かしらの参考にはなると思います。
具体的なメニューよりも、「どういう目的でこの練習をしているのか」「どのトレーニング理論と結びついているのか」という視点から参考にしてみてください。
「トレーニングの報告」をするようになって変わったこと
というのは前置きで、今回の本題に移りたいと思うのですが、僕が「自分トレーニングの報告をするようになって変わったこと」についてお話ししたいと思います。
結論から言うと、
「やる気が出てきた」
ということです。笑
本当に馬鹿みたいな話なんですが、人間の心理って結構単純なものなんでしょうね。
モチベーションを上げる方法
ランニングの指導をしていると、
- やる気が出ません…
- モチベーションが上がりません…
- どうやったらモチベーションを上げられますか?
なんていう相談もよくいただくのですが、これは結構難しい問題なんですよね。
「モチベーション」という言葉は、厳密には「やる気」ではなく「何かしらの行動を起こす動機」という意味です。
なので、「モチベーション(行動する動機)がありません」なんて言われたら、僕だって「そりゃどうしようもないな…」ってなっちゃうんですよ。
とはいえ、「モチベーションが上がりません」「やる気が出ません」っていう気持ちももちろん理解できます。
僕もそのような気分になることは数え切れないほどありますから。
人間の「やる気」ほど当てにならないものはない
しかし、我々が「気分」で全ての行動の意思決定をしてしまっては、ロクなことになりません。
人間は元来怠惰な生き物というか、「ラクをしようとする生き物」です。
不要なことにはエネルギーは使わず、なるべくエネルギーを温存しようとする性質が本能レベルで人間には備わっています。
さらには、身体を動かすことの必要性が極端に低くなった現代において、わざわざ「走る」なんてことに我々はエネルギーを使おうとはしません。「走るためのやる気」なんて基本的に出ないのです。
だから、僕たちは放っておけばすぐにサボります。
ふとした気分で体を動かしたくもなるけれど、そんな気まぐれに任せていては、僕たちが獲得したい結果や達成したい目標なんていつまで経っても手にすることはできません。
では、そんな人間のサボり本能に抗って、自分の目標達成に向けて行動を続けるにはどうすれば良いか、そんなことを考える必要があります。
「仕組み」を活用せよ
人間の「気分」やら「やる気」は当てにならない。
・・・「じゃあ、どうすればいいのよ」という話になりますよね。
これに関してはもう、本当に月並みですが、「仕組み」を活用しましょう。
「自分なんて信じるな」というと、極端に聞こえるかもしれませんが、厳密には「自分の一時の感情」は信じなくて良いです。だって、人間の感情はあまりにも気まぐれに移ろいでいくものですから。
だから、僕は常々「ルーティンを作りましょう」「感情を排除してルーティンをこなしましょう」と言ったりするわけです。
僕は精神力が強い方ではないですし、この文章を読んでいる方にも鋼のメンタルを持っている人は少ないんじゃないかなと思います。
だからこそ、「自分の気分や感情」を当てにするのではなく、「仕組み」を活用しましょう。
報告しなければならないから、やる気が出る
・・・ここで、僕が「自分トレーニング」をブログやメルマガで報告するようになって「やる気」が出てきたという話に戻ります。
この「ブログやメルマガでトレーニングの報告をする」っていうのも、まさに「仕組み」そのものですよね。
もっと身近な例だと、FacebookやInstagram、STRAVAなどのSNSで練習報告するっていうのでも良いでしょう。
BRCの『スタンダードクラス』でも、メンバーには「トレーニング週報」や「トレーニング月報」を出してもらっています。
『スタンダードクラス』のメンバーの中にも、「週報を出す環境があるから頑張れる」とか「良い報告をしたいから、良いトレーニングをしなきゃという気持ちになる」という声もよくいただきます。
これこそ立派な「仕組み」ですよね。
- 練習報告をする相手がいる
- 練習内容に対してフィードバックをもらえる
- 他の人も練習報告を出している
- 仲間が頑張っている姿が見える
こういった環境が、いわゆる「モチベーションアップ」に繋がります。
でも、一人で練習していると、どうしてもその時の自分の気分に流されて練習をサボってしまうことって結構多いと思うんですよね。
これは別にあなたが「怠け者だから」ではなく、人間の元々の性質です。僕だって「仕組み」がなければ、すぐ怠けてしまいます。
そして、「仕組み」の中でも「トレーニング内容を報告する場を作る」というのはめちゃくちゃオススメです。
その理由は、、、
- 「言語化」することで、トレーニングの意味をよく理解できる
- 「良い報告」をするために、「良いトレーニング」をすることになる
- 「人に見られている感」が程よい緊張感になる
といったところでしょうか。
今回はここまで踏み込んで終わりにしたいと思います。
「言語化」することで、トレーニングの意味をよく理解できる
僕は、「言語化」を非常に大事にしています。
考える = 言語化すること
という風に思っていますから、
「トレーニングの意味を考えろ」というのは、
「トレーニングの意味を言語化しろ」と同義です。
しかし、果たして、自分のトレーニングを言語化できる人はどれくらいいるのでしょうか?
これは「トレーニングの記録」をつけ始めてみると分かるのですが、言語化って意外と難しいんですよね。
- なぜ、このトレーニングをしたのか?
- なぜ、この距離を走ったのか?
- なぜ、このペースで走ったのか?
- なぜ、この頻度でトレーニングしているのか?
書き出そうとしてみると、意外と言葉が出てこなかったりします。
これでは「トレーニングの意味を十分に理解している」とは言えません。
まあ、僕も偉そうにこんなこと言っていますが、記録をつけ始めると
「あれ?最近あんまり考えてトレーニングしてないな…」
と気づくことが結構ありますよ。
でも、この「記録すること」とか「言語化すること」を習慣にすることが大事です。
「記録し続けること」「言語化し続けること」で頭の中が整理され、トレーニングの意味がよく理解できるようになります。
そして、「自分が今頑張って取り組んでいるトレーニングの意味」がよく理解できるようになると、トレーニングが楽しくなってくるんですよね。
つまり、「やる気」が出てくるわけです。
こちらは、僕が定期的に読み返す記事の一つなんですが↓
人は、記録をつけると、行動が変わる。継続できる。人生が変わる。 | Books&Apps
この記事では「やる気があるから記録するのではなく、記録をするからやる気が出る」という風なことが書かれています。
いや、まさにそうだと思います。
人間は「自分の言葉」に「自分の行動」を合わせていこうとしますからね。
ぜひ、読んでみてください。
「良い報告」をするために、「良いトレーニング」をすることになる
次は、「良い報告をしよう」という気持ちが先行して、結果的に「良いトレーニングをする」ことになるという現象です。
面白いのは、これも「良いトレーニングができたから、報告しよう」ではなく、「報告をするから、良いトレーニングをしよう」という逆算的な心理が働いているところです。
「良いトレーニングができたから、報告しよう」は、言ってしまえば普通なんですよ。
良いトレーニングができたら、誰かに話したくなるし、SNSに投稿したくなる。
でも、これは結果論なんですよね。
「たまたま良いトレーニングができたから報告しよう」
「良くないトレーニングは報告しないでおこう」
「良いことしか投稿しない」という、ただただ都合の良い報告になってしまっているわけです(SNSはこうなりがちですね)。
まあ、それはそれで別に良いと思うんですが、せっかくならその性質を逆手にとって、「意図的に」良いトレーニングをしたい。
つまり、「良い報告をする」というのが先に決まっていて、そこに「自分の行動」が後追いしていくという構図です。
前章でも書きましたが、人間は「自分の言葉」に「自分の行動」を合わせようとします。
そうでないと、自分の中の一貫性が保てず気持ちが悪いからです(これを「一貫性の法則」と言います)。
こういう人間の行動心理を知っておくと結構便利なので、ぜひ活かしてみて下さい。
「人に見られている感」が程よい緊張感になる
最後は、「人に見られている感」ですね。
これはわざわざ書くまでもないかなとも思いましたが、やっぱり「人の目」ってもの凄い力がありますよね。
これも「パブリックコミットメント」なんて言いますが、「公の場で宣言したらやらざるを得なくなる」という心理です。
んで、これは諸刃の剣でもありまして、「他者に評価されなきゃいけない」という気持ちが強くなり過ぎてしまう危険性があるんですね。
マラソントレーニングは、他人と競争することよりも「自分のやるべきことを見失わずに淡々と積み上げること」が何よりも重要なわけですが、ここに「他者の評価」という軸が変に介入してくるとおかしなことになってしまいます。
「自分がやるべきトレーニング」よりも「他者に評価されるためのトレーニング」を優先してしまった結果、「誰かにマウントを取るためのトレーニング」や「背伸びをして虚勢を張るためのトレーニング」に走ってしまう傾向があるのです。
こうなっては、あまりにも本末転倒なので注意が必要なのですが、言い換えれば、それだけ「人を行動に駆り立てる力がある」のが、この「パブリックコミットメント」なんですね。
これに依存しすぎるのもどうかとは思いますが、適度な塩梅で活用すれば相当な効果を発揮します。
「パブリックコミットメント」、トレーニング継続のモチベーションが下がり気味な人は、ぜひ取り入れてみて下さい。
しかし、、、
「トレーニング報告する場」なんてないよ
という方もいるかもしれません。
まあ、トレーニングの報告なんてSNSとかでも良いっちゃ良いのですが、なんか肌に合わないという人も多いと思うんですよね(僕も苦手です)。
だって、Instagramはみんなキラキラしてるし、Facebookはみんな意識高いし、Twitterはいたる所で喧嘩勃発してるし、TikTokはコメント欄が無法地帯だし・・・(僕の偏見)
一番まともなのがアスリート専用のSNSであるSTRAVAだと思うのですが、あれもあれでやっぱりみんな「良いトレーニング」ばかりアップしますからね。ほんのりとマウンティング感が醸されている・・・(僕の偏見)
それに、先ほども書きましたが、「人の目」って良くも悪くも強力すぎて、「ありのままの自分」を曝け出せないところがあります。
じゃあ、どんな場所で「トレーニング報告」をすればいいのかって話ですが、それは「あなたが安心できるコミュニティ」です。
誰彼構わず入り混じったコミュニティではなく、一定の価値観を共有したコミュニティにおいてこそ、「ありのままのトレーニング報告」をすることができます。
そのコミュニティでは、背伸びをする必要もないから、良かったトレーニングも良くなかったトレーニングもありのままに報告できる。もちろん、それに対して罵詈雑言を投げかける人もいないので、安心して報告できる。そんな環境がめちゃくちゃ大事だと思うわけです。
で、僕はまさにそういう環境作りとして、BRCの『スタンダードクラス』を運営しているわけですが、『スタンダードクラス』ではここまで書いてきたような「ありのままのトレーニング報告」ができる環境が整っています。
つまり、
- 練習報告をする相手がいる
- 練習内容に対してフィードバックをもらえる
- 他の人も練習報告を出している
- 仲間が頑張っている姿が見える
といった環境ですね。
ぶっちゃけお役立ちの情報がうんぬんかんぬんよりも、この「環境」こそがBRCメンバーの成功の秘訣だと思っています。
あんまり宣伝くさくなってもしょうがないので、念のために言っておきますが、別にBRCでなくても「あなたにとって安心できるコミュニティ」があればそれで良いと思います。それはそれでとても素晴らしいことです。
とはいえ、なかなか一人でトレーニングしているとそういう「自分が成長できる環境」を作るのは難しいな・・・と感じる方はぜひBRCの『スタンダードクラス』を検討してみて下さい。
「グループコーチング」という形式で、提出したトレーニングに毎週フィードバックをもらったり、毎月コーチに個別相談ができたり、オフライン練習会に参加できたり・・・まあ、いろいろやってます。
というわけで、『スタンダードクラス』の次回募集の案内を受け取りたい方は、こちらから登録しておいて下さい。
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それでは、本日はこの辺で。
おしまい!