マラソンの走力を向上させる3大要素とは?【トレーニングの本質】|ぼっちランナーズ【BRC】

マラソンの走力を向上させる3大要素とは?【トレーニングの本質】

上原 一真
  • よし、マラソンで自己記録を更新するために頑張ろう!
  • 今よりももっとマラソンの走力を向上させたい!

と決意して、いざ本格的なトレーニングに取り組もうとしているあなたへ。

ユイさん
ユイさん

でも、実際にどんなトレーニングをすれば良いのかしら?
何から手をつけたら良いのかわからないわ…

タケシさん
タケシさん

ただ何となく走ってるだけじゃダメな気がするけど…
どうせやるなら、ちゃんと効果のある方法でトレーニングしたいな。

と思っていませんか?

マラソンの走力を向上させたいのであれば、「マラソンの走力を決定する3大要素」を理解した上で、各要素を向上させるトレーニングをすればOKです。

何の戦略もなく漠然とトレーニングしているだけでは、マラソンの記録は一定のラインで頭打ちになってしまいます。

もしあなたがマラソンで今よりもっと突き抜けた結果を出したいと思っているなら、本記事を最後まで読んでください。

「マラソントレーニングの本質」を学ぶことで、より効果的・効率的な練習ができるようになります。

本記事を読むメリット
  1. 「マラソンの走力を決定する3大要素」が理解できる
  2. マラソン走力を向上させるためのトレーニング方法が分かる
  3. マラソントレーニングの本質を学んで、より効果的・効率的な練習ができるようになる
上原
上原

・ランニング歴20年以上
・ランニング指導歴10年以上
・指導累計600名以上

多くの市民ランナーをマラソン・サブ4〜サブ3に導いてきた僕が解説します。

↓動画での解説はこちら↓

マラソンの走力を決定する3大要素 とは?

結論から言うと、マラソンの走力を決定する要素は大きく3つあります。
マラソン初心者もマラソン経験者も、この3大要素は絶対に理解しておいてください。

以上の3つの能力を高めればマラソンの記録は確実に伸びます。

マラソンの走力を決定する3大要素 を理解することの重要性

ユイさん
ユイさん

なぜ、「マラソンの走力を決定する3大要素」を理解しないといけないの?なんか難しそう…

なぜ「マラソンの走力を決定する3大要素」を理解することが重要なのかといえば、

マラソントレーニングで意識すべきポイントにフォーカスしやすくなるから

です。

例えば、サッカーを例に考えてみましょう。
「サッカーが上手くなりたい」と思った時に、重要な要素は何でしょうか?

おそらく、

  • ドリブル
  • パス
  • シュート

これらの技術を磨くことかなと思います。
(僕はサッカー素人なので間違っていたらすみません…)

では、以下のサッカー選手AさんとBさんでは、どちらの方が上達が早いでしょうか?

  • Aさん:
    「ドリブル・パス・シュート」それぞれの技術を磨くことを意識している
  • Bさん:
    何も考えずにただボールを蹴っているだけ

はい、もちろんAさんの方がサッカーの上達は早いですよね。

このように

「自分が磨くべき技術(能力)を知っているかどうか」は、トレーニングの質を大きく左右します。

そして、サッカーで言うところの「ドリブル・パス・シュート」は、マラソントレーニングに置き換えると

ということになります。

ただ闇雲に練習したり、何も考えずガムシャラに走ったりするだけでは、マラソンで良い結果を出すことはできません。

効果的・効率的なマラソントレーニングを行う上では、

あなたが行うトレーニングの一つ一つが「マラソンの走力を決定する3大要素」のいずれかを鍛えることに繋がっていないといけません

全世界のランナーのバイブル『ダニエルズのランニングフォーミュラ』の著者・ジャック・ダニエルズ氏は、

常に必要なのは、「この練習の目的は何か」という問いに答えられることだ。

『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』 / ジャック・ダニエルズ 著 より

と語っています。

上原
上原

常に「マラソンの走力を決定する3大要素」のいずれかを向上させる意識を持って日々の練習に取り組むことで、トレーニングの効果は高まります。

ユイさん
ユイさん

練習で意識すべきポイントが分かったら、今よりももっと中身のある練習ができそう!

「マラソンの走力を決定する3大要素」の重要性は理解していただけたでしょうか?

それでは、

それぞれの概要を紹介していきます。

VO2max(最大酸素摂取量)

「VO2max(最大酸素摂取量)」の定義は以下の通り。

『VO2max(最大酸素摂取量)』とは

一定時間内に酸素を体内に取り込める最大量

※ よく使われる単位 : ◯◯ ml / kg / min
(1分間に体重1kgあたり◯◯mlの酸素を取り込む事ができる)

マラソンのような有酸素運動においてはどれだけ多くの酸素を取り込んで運動エネルギーに変え られるかという能力が非常に重要です。

この「VO2max(最大酸素摂取量)」が高いランナーは “(有酸素的な)最大スピード”が高いと言えます。

上原
上原

平たく言うと「VO2max = 最大スピード」です。

また、「VO2max(最大酸素摂取量)」は3~5分間走の繰り返し(ペースはI(インターバル)ペース)で鍛えられると言われています。

その為、「VO2max(最大酸素摂取量)」を鍛える代表的な練習としては・・・

「VO2max(最大酸素摂取量)」を鍛える代表的な練習

1000m × 5本 インターバル

P(ペース) : I(インターバル)ペース = VO2maxペース
R(リカバリー) : 200m = 90~120秒 ジョグ

※ インターバル : 速いランニング短い休憩(リカバリー)を繰り返すトレーニングのこと

などがあります。

LT値(乳酸性作業閾値)

「LT値(乳酸性作業閾値)」の定義は以下の通り。

『LT値(乳酸性作業閾値)』とは

「血中の乳酸濃度が急激に上昇するポイント」

※ LT : Lactate Threshold

この「LT値(乳酸性作業閾値)」を超えると、体内には乳酸が急激に溜まって、呼吸が苦しく、身体が動かなくなり始めます

つまり「LT値(乳酸性作業閾値)」とはラクに走れるペースとキツくなり始めるペースとの境界のようなものです。

したがって、「LT値(乳酸性作業閾値)」を向上させることによって“ラクに走れる最速ペース”が引き上げられます。

上原
上原

平たく言うと「LT値 = スピード持久力」です。

逆に言えば、LT値を超えたペースで走っていると、あなたの身体は疲労に耐えられなくなり、マラソンではペースダウンしてしまいます。

具体的には、

LT値(乳酸性作業閾値) :
・練習時において、20~40分間程度継続できる運動強度(ランニングペース)
・レース時において、40~60分間程度継続できる運動強度(ランニングペース)

と言われており、このランニングペースを「ダニエルズ理論」ではT(閾値)ペースと言います。

このT(閾値)ペースで走る総距離を増やしていくことで「LT値(乳酸性作業閾値)」の向上が期待できます。

具体的な練習メニュー例としては・・・

「LT値(乳酸性作業閾値)」を鍛える代表的な練習

2km × 3~5本 クルーズインターバル

P(ペース) : T(閾値)ペース
R(リカバリー) : 3~5分 ジョグ

※ クルーズインターバル : 速いランニング(≒LTペース)短い休憩(リカバリー)を繰り返すトレーニングのこと

などがあります。

ランニングエコノミー(ランニングの経済性)

『ランニングエコノミー(経済性)』とは

「少ないエネルギーでいかに速く長く走れるか」という効率性のこと。

「ランニングエコノミー(経済性)」は様々な要素から構成されています。

それらの要素は複雑に絡み合っているのですが、なるべく体系的に表すと以下のようにまとめることができます。

『ランニングエコノミー(経済性)』を構成する3要素

「エネルギー代謝」的要素

「筋肉・循環器」的要素

「フォーム」的要素

■ 参考 : ランニングエコノミーの考え方 (アスリートLab)

僕が調べた限り、日本語で最も分かりやすく体系的にまとめてくださっていたのが、アスリートLabさんの記事だったので参考にさせていただきました。

「ランニングエコノミー(経済性)」は様々な要素が関わり合っている為、分かりやすい指標はあまりないのですが、概念としては非常に重要です。

「ランニングエコノミー(経済性)」を向上させる方法としては例えば・・・

「ランニングエコノミー(経済性)」を向上させる方法

[エネルギー代謝

・エネルギー効率の良い脂質代謝を促す為に、空腹時に走る。
・糖質代謝の節約する為に、“閾値トレーニング”を行う。

[筋肉・循環器]

・速筋(速く走るため)と遅筋(長く走るため)をバランス良く使う。
・LSDを行い、全身の毛細血管の発達を促す。

[フォーム]

・エネルギーロスの少ないランニングフォームを身につける。

などがあります。

マラソンの記録が停滞している人こそ
“基本に立ち返るべき”

ここまで、「マラソン走力決定3大要素」をザッとみてきましたが、

  • 今まで単純に走ってきただけだったけど、最近伸び悩んでいるなぁ。
  • 「サブ4」を目指して練習しているけど、今のままの練習で良いのかな…?
  • 「サブ3.5」をそろそろ達成したいけど、今の自分には何が足りないのか分からない…
  • 「サブ3」を目指して練習しているけど、最近記録が頭打ちで停滞気味…
  • 今の状況を打開するために何か突破口を見出したい。

以上のように、マラソンの記録が停滞している人こそ、今回の「マラソン走力決定3大要素」のような“基本に立ち返ること”が重要です。

ネットや本で情報収集していると、様々なトレーニング方法が紹介されていて混乱してしまうかもしれません。

しかし、マラソントレーニングは突き詰めていけば、今回紹介した「マラソンの走力決定3大要素」に集約されていきます

だから、余計なトレーニングを手当たり次第に取り入れて、あれこれ試すよりも、

シンプルに「マラソンの走力決定3大要素」を向上させることに集中してトレーニングする

方が効果は出やすいです。

今回紹介した「マラソンの走力決定3大要素」は、あなたが迷った時に立ち返るべき基本原則なので、常に心に留めておきましょう。

最後に、繰り返しますが、

以上の3つでマラソンの走力は構成されており、この3つをそれぞれ伸ばしていくことでマラソン の記録は向上するのです。

これがマラソン練習の基本のキ。本質です。

◆まとめ◆
『マラソンの走力を決定する3大要素』を意識してトレーニングすることで効果的・効率的に走力を向上させることができる

マラソンの走力決定3大要素

① マラソンの走力を決定する3大要素は・・・

  1. VO2max(最大酸素摂取量)
  2. LT値(乳酸性作業閾値)
  3. ランニングエコノミー(経済性)

② ①の3つの能力をそれぞれ鍛えることでマラソンの走力を効率よく向上させることができるする。(マラソン練習の本質)

③ 今自分が取り組んでいる練習は「マラソンの走力決定3大要素」のいずれかをちゃんと鍛えることができているか、常に確認しよう。

それでは。

あなたのランニングライフがより充実したものになることを心より願っています。

ぼっちランナーズ【BRC】
代表 上原一真

上原 一真
上原 一真
ランニングコーチ / ぼっちランナーズクラブ【BRC】代表
Profile
株式会社SmilesMiles 代表取締役
1992年生まれ、鹿児島県出身。

2005年、中学時代より走り始めランニング歴は20年以上。ランニング指導歴は10年以上。

1500m~5000mなどのトラック競技から100kmを超えるウルトラマラソン, トレイルランニング, 駅伝など幅広く嗜む。
フルマラソンの自己ベストは、2時間34分16秒 (2021年)。

2015年から市民ランナー向けにランニングの指導を始め、サブ4~サブ2時間35分まで様々なレベルの市民ランナーの自己ベスト達成をサポートしてきた。

現在は、オンラインランニングクラブ【ぼっちランナーズ / BRC】を主宰。
「ひとりで頑張るランナーに、もっと強くなるきっかけを与え、自己重要感が高まるランニングを楽しんでもらう」をテーマとして指導に力を入れている。
プロフィールを読む
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