上原の2023年度シーズンの目標を共有します[トレーニング記録 : 2023/1/16-1/22]|ぼっちランナーズ【BRC】

上原の2023年度シーズンの目標を共有します[トレーニング記録 : 2023/1/16-1/22]

上原 一真

こんにちは。
上原です。

今週分の
トレーニング記録(Training Log)
公開します。

3週間の経過報告

トレーニングを再開してから3週間が経過しました。
今のところ、概ね順調にトレーニングを積めています。

大きく「スタミナ」「スピード持久力」「最大スピード」の3側面から身体に刺激を与えることを意識しています。まあ、基本中の基本ですね。

「メゾサイクル」の考え方

トレーニングの期分けにおいては「メゾサイクル」という考え方があり、これは「数週間〜2ヶ月単位」でトレーニングを期分けする考え方です。

僕自身がトレーニングする際やBRCメンバーのトレーニングを組み立てる際は、「3~4週間」をメゾサイクルとして考えることが多いです(2ヶ月単位だとやや冗長になってしまう)。

期分けサイクルの種類については、以下のように考えると分かりやすいでしょう。

期分けサイクルの種類
  • ミクロサイクル
    「1週間」の中でトレーニングを組み立てる
  • メゾサイクル
    「3~4週間」の中でトレーニングを組み立てる
    1メゾサイクルが終了するタイミングで1週間の回復週を設ける
  • マクロサイクル
    「3~6ヶ月間」の中でトレーニングを組み立てる
    1マクロサイクルにおいて「1つの最大目標レース」を設定する
    →年間で設定する最大目標レースは2つ(最大3つ)。従って、マクロサイクルも年間2~3サイクルとなる
    1マクロサイクルが終了するタイミングで3~9週間の休養期を設ける
  • 年間シーズン
    「12ヶ月間(1年間)」の中でトレーニングを組み立てる
    1シーズンが終了するタイミングで5~9週間の休養期を設ける
  • 超マクロサイクル
    「数年単位」でトレーニングや成長曲線を組み立てる
  • ライフタイム
    競技人生全体(10年以上)を俯瞰してトレーニングや成長曲線を組み立てる

期分けサイクルの定義については、個人によって定義が多少異なりますが、「市民ランナー」の文脈で語れば、上記のような期分けが現実的に最も適用しやすいと思います。

「メゾサイクル」ごとにトレーニングの評価・修正を行う

では、なぜ「メゾサイクル」の話をしたかと言うと、僕がトレーニングを再開してからちょうど1メゾサイクルが終了する頃だからです。

トレーニングを開始して3~4週間くらい経つと何かしらの変化が可視化されやすいので、トレーニングの評価・修正を行うのには良いタイミングです。ぜひあなたもこの習慣は取り入れてみて下さい。

現在の僕の場合は、この3週間は順調にトレーニングを積めましたし、身体の適応も予想通りに進んでいます。

なので、特に大きくトレーニング計画を変える必要はなさそうですが、、、

1メゾサイクル終了後に1週間の回復週を設ける

という原則は、守っていこうと思います。

調子が良くて練習も順調にこなせていると、ガンガン練習量を増やしてみたり、バンバン走るスピードを上げてみたりしてしまいがちですが、ここは冷静さを失わないようにしたいところです。

トレーニングは長期目線で考えなければいけないですし、その時の勢いに任せて走っていては怪我やオーバートレーニングへまっしぐらです。

そのため、「1メゾサイクル終了後に1週間の回復週を設ける」というのは、一つの手法として大変効果的です。

「回復週」では、直近3~4週間で溜まった疲労を抜くことを意識して過ごしてください。

ただ、極端に練習量を落とすと体力が一気に低下してしまうので、「体力が維持できる」くらいのトレーニング量や質は担保しておくと良いでしょう。

「長期目線」の重要性

・・・と偉そうに語ってはいますが、僕自身、2021年シーズンは長期目線を疎かにしていました。

目の前のレースに間に合わせようと焦って練習した結果、そのレースではある程度の結果を残せたものの、そのレースの1週間後に怪我をしてしまったのです。

僕の場合、なまじ「短期間で仕上げる方法」を知っているので、「多少無理をすればあそこくらいまではいけるだろう」という気持ちが強くなってしまい、突貫工事をしてしまったわけですね。

で、実際にトレーニングを始めてから1ヶ月程度で10kmのコース自己ベストを出せるくらいには「短期間で仕上げること」はできたのですが、そのツケというか反動は絶対にどこかで発生するんですよね。

例に漏れず、当時の僕は10kmのコース自己ベストを出した1週間後に股関節を故障してしまい、結局、大本命のレースには間に合いませんでした(不出場)。
いや、これはもう大反省すべき事案です。

もちろん「目の前の練習に集中する」というミクロ(短期的)な視点も大事なのですが、それはマクロ(長期的)な視点の中の一部として機能しているべきです。

当時の僕のように、「ミクロ(目の前のレース)を重視し過ぎた結果、マクロ(大本命レース)を台無しにしてしまった」なんてミスは犯さないようにしてくださいね。

「マクロサイクル」を考える

そこに関連して言うと、これを読んでいる人の中にも、1シーズンの中に色々なレースを入れている方も多いと思いますが、そのスケジュールの中で、自分はどこにピークを持っていきたいのか、は考えておきましょう。

「年間シーズンの大目標」を1~2つに絞ってトレーニング計画を組み立てることが重要です。

前述した期分けサイクルに沿って言うとすれば、1シーズンの中でどのようにマクロサイクルを設定するか、がポイントとなってきます。

マクロサイクルは、「1つの最大の目標レース日」を中心としたトレーニングサイクルのことで、BRCメンバーの多くが活用しているトレーニングプログラム『WINNING』もマクロサイクル単位(3~6ヶ月間)で作成されています。

そして、1マクロサイクル終了後には、「3~9週間の休養期間」を設けて、次のマクロサイクルに向けて心身ともに英気を養います。

このようにマクロ(長期)な視点でトレーニングを組み立てていくと、トレーニング全体の大きな流れがスッキリと理解できるので、目の前の些末な事象にいちいち焦らなくなります。

視野狭窄の状態で焦ってトレーニングをしていても、一時の不安は解消できるかもしれませんが、長期目線で見たら何も良いことがありません。

もう少しすると2022年度シーズンも終わり、2023年度シーズン(4月〜)が始まるわけですが、あなた自身が来年度のスケジュールを立てる際にも、この「マクロな視点 = 長期目線」は見失わないようにしましょう。

2023年度シーズンの目標

さて。

僕は2022年度シーズンはほぼスキップした形になるので、一足先に2023年度シーズンのシュミレーションをしておりました。
ちょっと気が早い部分もありますが、1年も充電していたので「静かなやる気」が満ち満ちてきています。

なので、来年度は結構大きめな目標を掲げてみようかなと。
BRCメンバーにも、僕の成長をしっかりお見せすることができれば、良い推進力になるかもしれないですからね。

2023年度シーズンの大目標

ではまず、大目標から。

2023年度の大目標
  • 10月下旬 フルマラソン : 2時間25分切り
    (金沢マラソン予定)
  • 2月中旬 鹿児島県下一周駅伝
  • 3月初旬 フルマラソン : 2時間20分切り
    (鹿児島マラソン予定)

という感じで、基本的にはフルマラソンに向けたトレーニングを中心軸に据えていきます。

僕は、トレイルランニングとかウルトラマラソンとかも好きなんですが、やはり自分の成長が「記録」として(対外的にも)一番分かりやすく残るのがフルマラソンだと思うので、まずはフルマラソンでキッチリ記録を出したいなと。

ちなみに、僕の現在のフルマラソンの自己ベストは「2時間34分」なので、「2時間25分切り」や「2時間20分切り」は結構思い切った(理想高めの)目標です。

しかし、高い目標だからこそ挑戦しがいがあると思いますし、不可能ではないと思っています。

ただ、もちろん現実的な側面からトレーニングを組み上げていくことも必要なので、そのあたりの「どのように理想と現実のギャップを埋めていくか」は、今後公開されるトレーニング記録に注目していただけたらと思います。

2つのマクロサイクルについて

まだ時期が早いので、どのレースに出場するかは未確定の状態ですが、マクロサイクル的に言うと「10月」と「3月」に大目標レースを持ってくるのが、個人的にはバランスが良いです。
なので、そのあたりのレースに出場すると仮定してじっくり準備していきます。

マクロサイクルとしては、以下の2サイクルに大きく分かれます。

  • マクロサイクル #1 : 5月〜10月
    10月下旬のフルマラソン(金沢マラソン?)に向けたトレーニング
  • マクロサイクル #2 : 11月〜翌3月
    3月初旬のフルマラソン(鹿児島マラソン?)に向けたトレーニング

ちなみに、2023年1月〜4月にかけては、大きな意味での「基礎構築期」として捉えており、ここで2022年1年間のブランクからの回復を図ります(4月中旬に現状確認としてのフルマラソンを走る)。

駅伝との両立について

2024年2月中旬の鹿児島県下一周駅伝は、県内12地区対抗で競う「5日間、約580km」の駅伝大会のこと。
これに関してはもう、鹿児島で走っているランナーにとっては決して外せない“大イベント”です。笑

10km29分台ランナーや5km14分台ランナーがゴロゴロいる、地方の市民駅伝とは思えないほどレベルの高い大会でして、せめて10km32分そこそこの走力はないとまともに戦えません。
今年の大会は諦めましたが、来年の鹿児島県下一周駅伝はしっかり狙ってトレーニングしていきます。

ただ、このあたりの駅伝とマラソンの両立が毎回難しいなと思うところですが、マラソン練習で培われるスタミナがあれば駅伝にも活きてきますし、駅伝練習で培われるスピード&スピード持久力があればマラソンにも活きてきます。
問題はこれらをいかに器用に融合させられるかですね。

2023年度シーズンの中目標

中目標は、大目標に至るまでの「マイルストーン」のような位置付けで、「トレーニングとして出場するレース」「現状の進捗確認として出場するレース」も含まれます。

  • 2/5(日) 奄美よーりよーりラン (鹿児島) 50km
    3時間20分 (平均4:00/kmペース)
    ※コースの起伏によってタイムは変動する可能性あり
  • 4/16(日) 喜界島マラソン (鹿児島) 42.195km
    2時間35分 (平均3:40/kmペース)
    ※進捗確認として
  • 5/21(日) 八ヶ岳野辺山ウルトラマラソン (長野) 100km
    9時間00分切り
    ※コースの起伏によってタイムは変動する可能性あり
  • 6月下旬〜7月上旬 地区大会 5000m (トラック)
    15分20秒
  • 12月下旬 南日本通信10kmロードレース
    31分30秒
    ※起伏多めのコース

中目標に関しては、あくまで「大目標に至るまでのプロセス」なので、あまり目先のことに囚われないことが大事です。
したがって、その時の状況によって、スケジュールを組み替えたり、目標タイムを修正したりしてもOK。

小目標に関しては、中目標よりもさらに優先度が低くなるのでここでは割愛しますが、「小さめのレース」や「軽めのレース」を、小目標として位置付けることが多いです。

「理想」と「現実」

とまあ、ザッとこんな感じでしょうか。

重ねて書いておきますが、この目標群は、結構「理想高め」です。
・・・が、「理想」がなければ、進歩も成長もありませんので、理想を掲げることは絶対必要です。

問題はその「理想」に向かってどのように「現実」を変えていくか、ここの部分は現実的に考えなければいけません。

「理想」だけでもダメだし、「現実」だけでもダメ。

以前も引き合いに出しましたが、かの宮崎駿監督の

理想を失わない現実主義者にならないといけないんです。理想のない現実主義者ならいくらでもいるんですよ。

という言葉の通りです。

要するに、「理想」に向かって「現実」の駒を一つ一つ進めましょう、という話なのですが、その様子をリアルタイムでお見せするのが、この「上原のトレーニング記録」の主旨です。

ぜひ、「自分の場合だったらどう具体的に落とし込めるか」といった視点から参考にしていただければと思います。

1週間のトレーニング記録
– Weekly Training Log –

日付曜日時間帯練習内容練習結果走行距離
1/16AMOFF0 km
Mon.PM4.5K Jog + 5×WS + 2.5K Jog on hill1h00m8 km
1/17AMOFF0 km
Tue.PM6K Jog + 5×WS + 6K Jog on hill1h23m13 km
1/18AMOFF0 km
Wed.PMOFF0 km
1/19AMOFF0 km
Thu.PM10×(1K float / 1K M) on XC[Laps]
#1. 4:29 / 3:55
#2. 4:20 / 3:48
#3. 4:17 / 3:50
#4. 4:18 / 3:46
#5. 4:17 / 3:49
#6. 4:19 / 3:50
#7. 4:18 / 3:50
#8. 4:12 / 3:50
#9. 4:12 / 3:48
#10. 4:09 / 3:41
[Total]
1:21:09 (Ave. 4:03/k)
25 km
1/20AMOFF0 km
Fri.PM6K Recovery Jog42m6 km
1/21AMOFF0 km
Sat.PM4set × (4×500m) on XC

*R=1:30 Walk
*setR=2:00 Walk
[Laps]
set #1
#1. 1:43 (R 1:31)
#2. 1:40 (R 1:40)
#3. 1:39 (R 1:30)
#4. 1:37 (R 2:00)
set #2
#1. 1:34 (R 1:31)
#2. 1:37 (R 1:30)
#3. 1:39 (R 1:29)
#4. 1:36 (R 2:02)
set #3
#1. 1:37 (R 1:29)
#2. 1:35 (R 1:31)
#3. 1:37 (R 1:27)
#4. 1:38 (R 2:00)
set #4
#1. 1:36 (R 1:29)
#2. 1:35 (R 1:30)
#3. 1:37 (R 1:30)
#4. 1:35
17 km
1/22AMOFF km
Sun.PM36K LSD on hill4h24m36 km
週合計105 km
1週間のトレーニング記録 / Weekly Training Log

月 Mon.

AM

OFF

PM

■ Strength : 3set × 上半身A

■ 4.5K Jog + 5×WS + 2.5K Jog on hill
 [Distance]8km
 [Duration]1h00m
 [Elev Gain]210m

疲労を抜きつつ、坂道で脚筋力の養成。スローペース。

火 Tue.

AM

OFF

PM

■ Strength : 3set × 下半身A

■ 6K Jog + 5×WS + 6K Jog on hill
 [Distance]13km
 [Duration]1h23m
 [Elev Gain]330m

身体が重くスローペース。

水 Wed.

AM

OFF

PM

■ Strength : 3set × 体幹A

OFF

ポイント練習実施予定が、時間を確保できず1日後ろ倒し。

木 Thu.

AM

OFF

PM : ポイント練習

■ Strength : 3set × 上半身A

■ Workout :
W-up Jog 2K on XC + 5×WS

10×(1K float / 1K M) on XC

[Laps]
#1. 4:29 / 3:55
#2. 4:20 / 3:48
#3. 4:17 / 3:50
#4. 4:18 / 3:46
#5. 4:17 / 3:49
#6. 4:19 / 3:50
#7. 4:18 / 3:50
#8. 4:12 / 3:50
#9. 4:12 / 3:48
#10. 4:09 / 3:41
[Total]
1:21:09 (Ave. 4:03/k)

C-down Jog 2K on XC

M(マラソン)ペースの刺激を反復的に与えながら、現状Mペースの確認。
設定ペースを守ることよりも努力感ベースで走った結果、3:50/kペースに落ち着いた。しかし、1km程度ならMペースの努力感であるものの、このペースを42km持続するのは現時点では厳しい。対策として、来週はMペースの連続時間を増やしていく。

つなぎは「float = 4:20/k」を目安に。
もう少し速く感じるかと思ったが、意外と余裕があり、後半は努力感変わらず自然と僅かにペースが上がっていった。
今回は、どちらかというとMペースよりもfloatのペースをコントロールすることを重視して、「そこそこ速いペースでも回復できる体質作り」を目指した。

= 解説コーナー =

float (フロート)

日本語に直訳すると「浮動する」「滑空する」といった意味になります。

で、ランニングトレーニングの文脈で使われる場合、float(フロート)は、「速過ぎず遅過ぎないペースで走ること」を意味します。

ただ、これでもまだ曖昧なので、もっと具体例を出すと「M(マラソン)ペースより20~30秒/kくらい遅いペース」とかで走ることが多いです。

今回のトレーニングでは、

  • Mペース = 3:50/k
  • float = 4:20/k

なので、大体「float = Mペース+30秒/k」ですね。

floatランニングでポイントなのは、「疾走区間のMペースよりも緩走区間のfloatペースをコントロールすること」です。

一般的なインターバルは、疾走区間と疾走区間の間は、「休息(リカバリー)」と言って「とことんペースを落としたジョグ」をすることが多いですし、一般的なレペティションでは、「休息(リカバリー)」を「体力が回復するまでウォーク」とすることが多いです。

それに対して、floatは「Mペース+20~30秒/k」が目安となるくらいなので、そこそこペースが速く、休息効果はあまり得られません。しかし、そこを逆手にとってトレーニングとして活かすこともできます。

つまり、「float区間は、そこそこ速いペースで走りながら、そこそこ体力を回復させること」が狙いであり、それを前提に疾走区間のペースや反復回数を設定するということです。
(疾走区間と疾走区間の間をfloatで繋ぐ場合は、ウォークやスロージョグで繋ぐ場合よりも、疾走区間のペースをある程度遅くする)

floatを織り交ぜたペース走やインターバルでは、一連のランニングのリズムを途切れさせないので、10kmやハーフマラソン、フルマラソンに対して、より特異的なトレーニングと言えます。

金 Fri.

AM

OFF

PM

■ Strength : 3set × 下半身A

■ 6K Recovery Jog
 [Distance]6km
 [Duration]42m

超スローペースでリカバリージョグ。

= 解説コーナー =

Recovery Jog (リカバリージョグ) のペース

「つなぎジョグのペースはどれくらいがいいですか?」とよく聞かれるのですが、これには正直答えがありません。

なぜなら、「そのつなぎジョグの目的」次第だからです。

つなぎジョグは目的別に

  • 疲労抜き = リカバリー (Recovery)
  • 体力維持 = 有酸素 (Aerobic)
  • 体力向上 = モデレート (Moderate)

の3種類くらいに分けると良いでしょう。

応用系として徐々にペースを上げていく「プログレッシブ(Progressive)」も実用的です。

で、要するに、これらの目的を果たせるのであれば、ジョグのペースはどうだって良いわけです。

僕は結構リカバリージョグのペースが遅いタイプなので、この日のランニングも普通に「7分/kmペース」で走っていますからね(平地6kmを42分)。

でも、その前日や翌日は「3:20/kmペース」で走ったりするわけですし、マラソンレースとなれば2時間30分くらいでは走れるわけです。

おそらく、「ジョグのペースは上原よりも速いけど、マラソンの記録は上原よりも遅い」という人もいるのではないでしょうか。
そういった人は、そこの違いを考えてみると良いかもしれません。

僕は目的に応じて明確にトレーニング負荷の強弱(メリハリ)をつけているので、「回復(リカバリー)が目的の日は、敢えてゆっくり走る」のです。

で、どれくらいのペースが回復に適しているかは個人差が大きいので、そこは自分の身体と相談しながら微調整する必要があります
同一人物でも、その時の疲労具合によって適切なジョグペースは異なります。

ここまでを踏まえると、「ジョグはどれくらいのペースで走らなければいけない」とか「ジョグのペースを他人と競い合う」とかいった類の話がいかにナンセンスかが分かるのではないでしょうか。

これら全ては、「意識性の原則 = トレーニングの目的を理解しよう」に通じていますね。

土 Sat.

AM

OFF

PM

■ Strength : 3set × 体幹A

■ Workout :
W-up Jog 4K on XC + 5×WS

4set × (4×500m) on XC

*R=1:30 Walk
*setR=2:00 Walk

[Goal]
set #1 1:40 (3:20/k)
set #2 1:37 (3:15/k)
set #3 1:35 (3:10/k)
set #4 1:32 (3:05/k)

[Laps]
set #1
#1. 1:43 (R 1:31)
#2. 1:40 (R 1:40)
#3. 1:39 (R 1:30)
#4. 1:37 (R 2:00)
set #2
#1. 1:34 (R 1:31)
#2. 1:37 (R 1:30)
#3. 1:39 (R 1:29)
#4. 1:36 (R 2:02)
set #3
#1. 1:37 (R 1:29)
#2. 1:35 (R 1:31)
#3. 1:37 (R 1:27)
#4. 1:38 (R 2:00)
set #4
#1. 1:36 (R 1:29)
#2. 1:35 (R 1:30)
#3. 1:37 (R 1:30)
#4. 1:35

C-down Jog 2K on XC

セットが進むにつれ、LT〜VO2max(3:20-3:05/k)まで徐々に強度を高めていくつもりだったが、思ったほどペースが上がらず3:20-3:10/kの範囲。3:10/kあたりにVO2max的なボーダーがある。

3:20/kは動き的には、LTの努力感だが、心肺的にはCVの努力感。
3:10/kは動き的には、CVの努力感だが、心肺的にはVO2maxの努力感。

動きと心肺機能の間で努力感のギャップがあるので、ここは埋める必要がある。対策として、もう少し呼吸を荒くするスピード走(VO2max以上)を入れる。

= 解説コーナー =

CV (Critical Velocity / クリティカルベロシティ) ペース

VO2maxの90%くらいの努力感に相当すると言われているペース。

LT(Lactate Threshold / 乳酸性作業閾値)より僅かに速く、VO2max(最大酸素摂取量)より僅かに遅いペース。

30~40分間全力で走れる最高速度。例えば、サブ3レベルのランナーであれば「10kmのレースペース」とほぼ同等になる。

日 Sun.

AM

OFF

PM : ポイント練習

■ Workout :
36K LSD on hill
 [Distance]36km
 [Duration]4h24m
 [Elev Gain]800m

今週はポイント練習が3回なので、この日のLSDはペースを思い切り落とした(その代わり、坂道メインのコース)。

思ったより疲労が溜まっていて結構頻繁に歩いたが、スピードを出す必要はなかったので問題なし。むしろ運動時間の長さを確保できた点では良かった。脚筋力が養成できていると期待したい。

ただ、4時間も雨に打たれ続けたせいで、走り終えた後の疲労感は酷かった。

= 解説コーナー =

LSDは、「ポイント練習(Workout)」なのか?

LSDは、ペースは遅いものの長時間体を動かし続けるので、

  • 負荷 = 強度(ペース) × 時間 × 頻度

の公式に当てはめると、やはりトレーニング負荷は高くなります。

LSDは、トレーニング負荷が高いという点で、つなぎジョグとは明確に違うという意味合いで、僕はLSDは基本的に「ポイント練習(Workout)」と分類しています。

1週間の振り返り

週間走行距離

1/16-1/22 : 105 km

■ 週間走行距離の推移 (2023年)
  • 1/2-1/8 : 89 km
  • 1/9-1/15 : 98 km
  • 1/16-1/22 : 105 km
= 解説コーナー =

「週間走行距離」を記録するのはなぜ?

という質問をいただきましたが、これは1週間単位で距離を管理した方が、走行距離の推移や変化を意識しやすいからです。

個人的には、1ヶ月間単位で走行距離を管理していると、評価・修正のタイミングが遅れてしまうと感じています。

月末に走行距離が少なすぎることに気付いて焦って走行距離を極端に増やしたり、逆に月末に走行距離が多すぎることに気付いて焦って走行距離を極端に減らしたり、なんて経験があなたもあるのではないでしょうか?

このように月間走行距離の帳尻を合わせるために走行距離を乱高下させるのはトレーニングの観点からは好ましくありません。なので、もう少しミクロな視点(週間単位)から、走行距離およびトレーニング内容を評価することで安定的なトレーニングを組み立てると良いでしょう。

ただ、マクロな視点でトレーニングを評価することも、それはそれで大事なので、「年間」「半年間」「3ヶ月間」「1ヶ月間」「2~3週間」「1週間」など、様々なサイクルにピントを合わせることができるのが一番理想的ですね。

なので、BRCスタンダードクラスのメンバーも、「週報」「月報」という2種類のサイクルでトレーニング状況を報告しています。

ちなみに、日本では「月間走行距離」を記録したり競ったりすることが多いですが、僕が知る限りこの習慣は日本特有のもので、グローバル基準で見ると世界のアスリート達はほとんど「週間走行距離」でトレーニングを管理しています(月間走行距離は、結果論みたいな捉え方)。

手応えを感じた点、良かった点

ひとまず直近2/5(日)に予定しているウルトラマラソン50kmに向けて練習している。

そのためにやりたいことが多くて、やや詰め込み気味なトレーニングになってしまったが、週間走行距離が一気に増えすぎないように気をつけた結果、大きな問題なくトレーニングを消化できた。

木曜の「10×(1K/1K)」と土曜の「4set×(4×500m)」も大体予定通りのペースで走れたので、進捗も悪くない。

改善点、今後の課題

ポイント練習後のダメージが大きい印象。ポイント練習を実施している最中や練習終了直後は、大した疲労感はないが、翌日翌々日にどっと疲労が出てきて、つなぎジョグのペースが上がらない(まあ上げる必要はないけど)。

ただ、一つ一つのポイント練習のインパクトに、ブランク明けの身体がびっくりしている状態であることは確かなので、その辺りの負荷のかけ方は慎重に考えたい。

総合評価

7/10段階中

今後の予定
– Schedule –

  • 2/5(日) 奄美よーりよーりラン (鹿児島) 50km
  • 4/16(日) 喜界島マラソン (鹿児島) 42.195km
  • 5/21(日) 八ヶ岳野辺山ウルトラマラソン (長野) 100km
  • 10/29(日) (仮)金沢マラソン (石川) 42.195km
  • 2024/2/17-21 (仮)鹿児島県下一周駅伝 (鹿児島)
  • 2024/3/3 (仮)鹿児島マラソン (鹿児島) 42.195km

お知らせ
– Information –

【次回の全クラス合同ライブ予告】

次回の全クラス合同ライブは「休養(リカバリー)」の重要性について、改めて解説します。

「トレーニング」と対をなす程に重要なのが「休養(リカバリー)」で、どれだけ「トレーニング」をしても、きちんと「休養(リカバリー)」できていなければ、体力は向上していきません。

それどころか、オーバートレーニングに陥り、トレーニングすればするほど体力が落ちていくなんて可能性すらあります。

そこで、今回は「休養(リカバリー)」という概念をミクロな視点とマクロな視点から捉えた上で、それを実践レベルに落とし込む具体例までお話しします。

全クラス合同ライブ #033

[日時]
2023年1月29日(日) 20:00~21:30

[テーマ]
マラソンで結果を出したいなら、きちんと休みなさい

[視聴URL]
>>> 視聴はコチラから

【ゆるくお尋ね】

この「上原のトレーニング記録」。

結構多くの感想コメントや質問をもらったりして、割と好評な(気がしている)んですが、YouTubeでシリーズものとして動画化するのとかは需要ありますかね?

公式LINEでトレーニングに関する質問とかももらうんですが、さすがに1対1で全部に返信するのは難しくて…。

でも、動画だったらまとめて質問とかにも答えられるので、色々と都合が良いのです。

シリーズ名は「マラソン サブ2:30プロジェクト」とか「マラソン サブ2:20プロジェクト」とかそんな感じかなぁ。

ただ、YouTubeは普通に公開すると、しょーもないコメントが届いたりするので(笑)、一定のボーダーラインとして超低額(月額490円とか)のメンバーシップ制にするかもしれません。

その辺りも含めて、「トレーニング実録の動画化希望!」の人は、コチラの回答フォームから教えてくださいませ!

要望が多ければ、動画化します。

【スタンダードクラスの次回募集】

グループコーチングで
みんなと楽しく強くなりたい!
という方にオススメのクラスです。

【BRC-STANDARD】スタンダードクラス
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※ メンバー募集は「毎月1〜3日」です。

ABOUT ME
上原 一真
上原 一真
ランニングコーチ / ぼっちランナーズクラブ【BRC】代表
株式会社SmilesMiles 代表取締役 1992年生まれ、鹿児島県出身。 2005年、中学時代より走り始めランニング歴は17年以上。 1500m~5000mなどのトラック競技から100kmを超えるウルトラマラソン, トレイルランニング, 駅伝など幅広く嗜む。フルマラソンの自己ベストは、2時間34分16秒 (2021年)。 2015年から市民ランナー向けにランニングの指導を始め、サブ4~サブ2時間40分まで様々なレベルの市民ランナーの自己ベスト達成をサポートしてきた。 現在は、オンラインランニングクラブ【ぼっちランナーズ / BRC】を主宰。 「ひとりで頑張るランナーに、もっと強くなるきっかけを与え、自己重要感が高まるランニングを楽しんでもらう」をテーマとして指導に力を入れている。
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